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不倫とは?不倫するのはどんな人?心理カウンセラーが解説

不倫をしている人に対し、あなたはどんなイメージを持っているでしょうか。センセーショナルな芸能ニュースが報じるように、規範意識の薄い快楽主義者だと感じますか?ひとつの家庭を壊して、平気な顔をしている悪人だと?でも、実際のところはどうなのでしょう。心理カウンセラーの元山結喜先生が、不倫をする人、そのきっかけについて教えます。

▼不倫とは

最近何かと話題になる「不倫」ですが、そもそも正確にはどういう意味の言葉なのかご存知ですか?辞典には「倫理・道徳に外れること」、「特に配偶者以外と肉体関係を持つこと」とあります。また、民法の第770条「離婚の訴えを提起できる事由」第一号に「配偶者に不貞な行為があったとき」と記載されており、不倫つまり配偶者以外と不貞な行為(性交渉)をすることは、離婚を請求する理由足り得る民法上の不法行為だと言うことができます。

▼不倫の実態

最近は定期的に芸能人の不倫の話が盛り上がっていますが、既婚者(男女)の5人に1人は不倫経験があるというデータもあります。社会人のほとんどの方は、身近なところから、「あの人は不倫をしたことがあるらしい」、「あの二人は不倫関係ではないか?」などという体験談や噂を耳にしたことがあるでしょう。不倫は、誰もがやってはいけないと知っているタブーである一方で、ありふれた話題でもあるということがわかります。

▼なぜ不倫をしてはいけないのか?

彼氏・彼女という恋人関係は、基本的に口約束で成立しています。周囲が認めている場合も多いでしょうが、法的拘束力を持つ書面を交わすわけではありません。パートナーを裏切ることで失うものは数え切れないとしても、婚姻関係にない者の間で起こる浮気は究極的に「人としてやってはいけないこと」であり、本人の良心に委ねられる部分が大きいでしょう。

しかし、不倫は民法上の不法行為であり、当事者全員の同意でもない限りは、許されることではありません。婚姻関係にある二人には、「貞操を守ること」や「共同生活の平和を維持すること」といった義務が課せられており、不倫はそれらを不履行または侵害することでもあります。不貞行為をされた方は、配偶者と不倫相手に対して離婚・損害賠償(慰謝料)を請求でき、軽い気持ちで不貞行為をした場合は、恋人間の浮気とは比べ物にならない代償を支払うことになるでしょう。

▼カウンセラーが受けた不倫の相談

心理カウンセラーの元山先生に、自身が受けてきた不倫にまつわる相談について聞くと、「比較的多いのは、不倫をしている女性・男性からのご相談です」と教えてくださいました。配偶者から不倫をされている方ではなく、不倫をしている方が、カウンセラーに話を聞いてもらうケースが多いというのは少し意外です。どんな相談をされるのでしょうか?

元山先生「普通の恋愛よりストレスがかかってしまうことが多いので、(不倫相手のことが)好きだけどしんどい、相手の心理状況を理解するのが難しいなどの相談が多いです」

既婚者と独身者、既婚者と既婚者など色々なパターンがありますが、いずれにせよ不倫は、会う時間を限定したり、人目をはばかったりといった多くの制約を、ふたりが耐えなければ成り立ちません。当然精神的に疲弊しますし、「自分や自分との関係をどう思っているのか(将来どうするつもりか)」という話もしにくいため、縋れるものがない脆い関係とも言えます。しかしそんな風に、周囲を裏切り、自分も擦り減っていく関係だと知りながら不倫に走ってしまう・やめられないのは、なぜなのでしょうか?

▼不倫をするきっかけは?

元山先生は、不倫をしていることに罪悪感のない方や、ゲーム感覚で楽しんでいるような方は「カウンセリングにはいらっしゃいません」と前置きし、そのうえで不倫をしてしまう人のきっかけを、以下のように分析します。

・既婚者「配偶者がいるが、気になる人ができた」
・独身者「好きになった人に配偶者がいた。それでも諦められない」

自分が不倫をしているということに気づくタイミングに差はありますが、元山先生に相談される方の多くは、好きになってしまって止められなかった、というパターンのようです。結果的に、「誰かを傷つけ、自分も幸せになれない恋愛」にのめり込んでしまっただけで、きっかけそのものは普通の恋愛となんら変わりがないということですね。

例えば、自分のことを好きでいてくれるとても優しい人がいるのに、自分は別の人を好きになったという場合、それは確かに「誰かを傷つける恋愛」でしょうし、本当は冷たい人だとわかっているのに、好きな気持ちを止められなかった場合、それは「幸せになれない恋愛」でしょう。そしてそういう恋愛の経験がある人は、そう珍しくないと思います。不倫をしている人も、一線を越えているかどうかという違い以外は、それと同じなのかもしれません。

▼なぜ不倫をやめられないのか?

不倫をやめられないのは、ズバリそれが彼らにとって「恋愛」だからでしょう。

そもそも日本は一夫一妻制が当たり前のものとなっていますが、それは最近になって導入された制度です。考えてみれば、一人の人間は一人の伴侶しか選べないというルールが今のところあるだけで、一人の人間は一人の人間しか同等に愛することができないということを裏付ける証拠はありません。配偶者も不倫相手も愛している、だから不倫をした、という場合も、許されないことには違いありませんが、あり得ないことではないのでしょう。

元山先生は「今は、夫婦関係や恋愛事情も多種多様になってきています。あくまでお互いが納得しているという前提ありきですが、配偶者と恋人(不倫相手)の両方がいるオープンな関係もいいのではと私は思っています」と理解を示します。

ただし、恋愛と結婚は似て非なるもので、単純な取り決めでもありません。「配偶者とは別の人を好きになった、だから離婚する」とすぐに決断する既婚者の方は少ないでしょうし、「既婚者を好きになった、だから離婚してもらおう」と独身者が思ったところで、必ず実現するわけでもありませんね。それでも本人たちは「恋愛」をしていて、それは理屈でやめられるようなものではないのです。だから愛していると言いながら明確なけじめもつけられないまま、「不倫」としてズルズルと関係を続けるしかないのでしょう。

▼不倫をしている独身女性にアドバイスするなら

24歳のA子さんは、40歳の既婚男性・B男さんと不倫をしています。好きになったときは彼が既婚だとは知りませんでした。最近は、どうしたら彼が離婚して、私と結婚してくれるだろうかと考えています。悪いことをしているのはわかってるので、もし奥さんから慰謝料を請求されても、彼と一緒に頑張って払おうとも決めています。

そんなA子さんに対し、元山先生は「慰謝料を払ってでも結婚したいお気持ちなんですね。離婚するしないの判断は、B男さんがご自身で決断される事柄です。夫婦仲が破綻しているのであれば、あとはタイミングでB男さんが判断されるのではないでしょうか。その時に、慰謝料を払ってでも一緒になりたい! と強い気持ちでB男さんを支えてあげたらいいと思います」と、やさしくアドバイスを送りました。

また、「奥さんに不倫をバラして家庭を破綻させるのは、B男さんの自尊心を傷つけることになりますし、あなたが求める結果からは離れてしまうので、お勧めしません。どうしたら彼が離婚してくれるかとおっしゃっていますが、他人を自分の思い通りに動かそうとしてもそれは無理でしょう。自分が変えられるのは、自分だけです。まずは自分が変わってみましょう。そうすると、周囲もどんどん変化していきますよ」と諭しています。


▼まとめ

不倫について、不倫をしている人の気持ちについて、実際に相談を受けているカウンセラーの意見を聞きながら紹介していきました。「好きになった人がたまたま既婚者だった(結婚した後で、好きな人ができた)」というケースは、意外と多いようです。

しかし、当人たちが恋愛だと思っていても不倫は絶対に悪いことです。それは変わりません。ただ、不倫をしている人というのは、フィクションやワイドショーの中だけのドラマチックな存在でもなければ、極端に歪んでいる理解し難い人というわけでもないのです。ならば誰にとっても不倫は、まったく無関係な話ではないのかもしれません。

▼ご協力いただいたカウンセラー

心理カウンセラー。2019年より大人の色気トレーナーとして活動を開始。専門分野は恋愛・人間関係。LINE上でのカウンセリングで全国から悩み相談が寄せられている。

charmmy編集部
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