「私アニメオタクなんです〜」とか「私ゲーム好きなんですよ~」なんて飲み会で言われた日にゃ、震えますね。もちろん武者震いです(笑)。
サブカル大好き女さんは、好きな物への愛が深い。好きなマンガやゲームやアニメが誰にも負けないぐらい好きで、下手したら「この世で私が一番好きなんじゃ…」なんて思っている。
この手の話を女性がしてきたとき、普通の男性はマンガやアニメに対して面白いだの楽しいだの言うんです。でもクズは、マンガやアニメではなく、その好きな物に愛を注ぐ女性を褒める。
「この面白さに気づくなんてすごいよね~」「こんないいマンガ知らなかった。教えてくれてありがとう」「〇〇さんが好きなアニメは絶対面白そう」とか。サブカル大好き女さんは、マンガやアニメのことを称賛されることはあっても、自分が褒められることはない。だから、好きな物を愛する自分を褒めてくれる人=私を分かってくれる人っていう刷り込みができる。
自分を分かってくれる人って、恋愛でいう運命の相手なんですよ。サブカル大好き女さんにしてみると、ただの飲み会に運命の相手が現れたってことで、アニメでよくある突然恋がはじまるシチュエーションができあがる。いうなれば『クズの名は』っていうアニメがはじまったようなもの(笑)。
疑似恋シチュエーションができたら、次は好きな作品の質問攻めをします。アニメ好きの女性に対してなら
そのアニメにハマったきっかけは?
どのキャラクターが好き?
一番のおすすめシーンは?
作者ってどういう人なの?
など、とにかく色々聞きます。
これは、一見するとただの質疑応答。でも、疑似恋アニメの主人公となったサブカル大好き女さんには、一問一答が恋のキャッチボールと化すわけです。本来ならこんな展開にはなりません。アニメ好き、マンガ好きなどサブカル大好き女さんだからこそ落ちる手口なのです。
クズの手口はここで終わりません。スピーディー且つ確実に手に入れるために、奥の手を使います。今まで話していたアニメとはまったく違った、彼女自身のことを聞いていくんです。
子供の頃の話や親兄弟のこと、初恋や友達の話…。突然別の話を振られて戸惑いを見せてもお構いなしです。
一通り話を聞いたところで、「〇〇さんがこのアニメにハマったのって、子供の頃に経験したことがきっかけになってるよね」「初恋の子のイメージって、そのアニメの主人公になんか似てるよね」と、アニメと彼女の生い立ちをくっつけて話します。正直、無理やり感はありますが、それもお構いなしです。
それを言われたサブカル大好き女さんは、生まれたときから大好きなアニメと結びつく運命だったんだと気づく。導かれし運命…。これまた大好きなシチュエーション。クズの誘導的、未来予想図によってたわいのない飲み会での1日が、必然だったんだと錯覚する。
つまり素直で感化されやすく、想像力が豊かなサブカル大好き女さんには、運命を感じさせることが恋の引き金になるわけです。
大好きな物に埋め尽くされていて隙がないように見えていても、実は好きな物からほころびがでるのがサブカル大好き女さんの弱点。
クズはその大好きな物を使って、ヘドロのようにゆっくりと着実に距離を縮めていきます。好きな物に没頭しても、クズの浸透には全力でブロックするようにしてください。
じゃないと、今日もどこかで性地巡礼しているクズと出会ってしまうかもしれませんよ?
イラスト:波打ベロ子