何かを目指している女性、そう「○○の卵」の方を、 僕は
“エッグウーマン”と呼んでいます。
「女優の卵」「ミュージシャンの卵」「ダンサーの卵」……。そういった“エッグウーマン”は向上心が非常に高い。それは、その道を極めようとする上でもちろん必要で素敵な事ですが、そこに平気で付け込むのがクズでございます。
向上心が爆高のエッグウーマンは上ばかり見ている。それ故に、地に足がついていない状態で目標以外のことが疎かになってしまいがち。
夢に向かって頑張っているエッグウーマンは、中途半端な自分には気付きません。いや気付かないフリをしているんです。クズはそこを狙います。
「そんな甘い考えで大丈夫?」「目標以外のことは何もできないの?」「今のあなたに説得力を感じられない!」と、けっこう厳しめの言葉をぶつける。
痛いところを突かれたエッグウーマンは、恥ずかしさと不甲斐なさに自尊心がバッキバキにへし折られ、自分の殻に閉じこもるんです。
それを見て、クズはすかさず次の手を打つ。今度は逆に、優しく温かい言葉でその殻を割りにいくんです。自分で殻に閉じ込めたくせに(笑)。
殻に閉じこもっているあなたに、こう話しかけます。
「夢を叶えることは大事だけど、夢のために生活がボロボロになるのは見てられないよ」
「いっぱいいっぱいになったときは、その重荷僕に渡していいから」
「暗い顔をしているより、やっぱり笑顔の方が似合ってる」
とにかくクズは、ギャップを自作自演するのが得意。
クズの優しい言葉で再び向上心を取り戻したエッグウーマンは次第に心を開きはじめ、殻にうっすらと亀裂が入っていきます。
クズはその音を聞き逃しません。前に進むことを躊躇する鳥目状態のエッグウーマンに、殻の外から毎日毎日優しく声をかけます。
気持ちに余裕の出てきたエッグウーマンは、向上心という名のくちばしで殻に突撃。
殻をやぶり一皮むけたエッグウーマンは、ヒナウーマンへと孵化します。そのヒナウーマンが絶望の暗闇からはじめて見るのは、ただのクズ。
でもヒナウーマンにとって、クズは心の恩人。この瞬間、ただのクズを自分の親のごとく信頼してしまうんです。
ヒナウーマンへと成長したら、クズは真っ先に
“刷り込み”作業に入ります。「素敵な夢だよね」「全力で応援するよ」「僕に何でも話して」と畳みかける。
ここまで親身になってくれたら、そりゃあ悪い気はしません。嬉しいでしょう。そこにまた付け込むのがクズのやり口なんです。
「ちょっと演じてみて」「ちょっと唄ってみて」「ちょっと踊ってみて」と言い出します。
そこのあなた! そんなこと言われてもやる訳が無いと思いましたね!? 甘い甘い! 「素敵な夢だよね」「全力で応援するよ」「僕に何でも話して」と刷り込まれたヒナウーマンは親身になって自分の夢を応援してくれる味方だと信じ込んでいるんです。恥ずかしがりながらも、全てをさらけ出してしまうんです。
決してクズのクズグルマに乗らないようにしていただきたい…。でも乗ってしまうのが “エッグウーマン”。
エッグウーマンの向上心が、羞恥心という殻も突き破ってしまうんですね。
エッグウーマンのみなさん。クズはこのように卵の殻を外側からノックしてきます。そして親身な振りをして卵の殻を割らせようとしてきます。
こんなやり口のクズを見かけたら、卵は卵でもゆで卵になりましょう。自分自身の信念をしっかり持ってしっかりかためてください。
ゆで卵の殻は 割りにくいですからね。