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尼神インター誠子コラム「ハートイケメン、銀シャリ鰻さん」

相方の渚とともにお笑いコンビ尼神インターとして活躍する芸人、誠子。でもその素顔は、誰よりも乙女で誰よりも女子。可愛いって言われたい、モテたい、ちやほやされたい…全てを手に入れるために日々努力を続ける、誠子の『可愛いの秘訣』が詰まった女っぷり向上コラム。

恋ではないけど心地いい男性

最近、私に付き纏ってくる男性がいます。その人は先輩芸人の銀シャリ鰻さん。付き纏う、と言っても女性として食事に誘われるとかではなくて。鰻さんはご結婚されているし、私も鰻さんも異性としての意識は全くない、昔から仲良しの芸人仲間です。

鰻さんは周りから天然と言われていて、思った事はすぐ口に出すガサツなタイプの男性。この鰻さんが最近、仕事で一緒になった時に毎回私の楽屋に来るんです。そして「誠子の一番の楽しみって何?」とか「こういう時、誠子ならどう思う?」とか色んな質問をしてきます。

「急に何なんですか!?」と私が戸惑いながら聞くと、鰻さんは真っ直ぐ私の目を見て、「俺、誠子にめっちゃ興味あるねん!」と言うんですよ。そして「誠子って今まで一番悲しかったのってどんな時?」「誠子は将来、どんな夢があるん?」とかめちゃくちゃ個人的な事を聞きまくります。

しかも鰻さんは私の返答に対して特にこれといったリアクションはしません。「そうなんやぁ」とか「へぇ~」とか。「ほんまに私に興味あります!?」と聞くと「めちゃくちゃある!」とまた真っ直ぐな目をして言うんですよ。だから、私は鰻さんの意図の判らない質問に答え続けます。

元々、自分の話をするのは苦手だし最初は、鰻さんって変な人やなぁと思いました。でも、段々とこの鰻さんとの会話が心地良く感じている自分に気が付いたんです。鰻さんが話しかけてくれない時は、少し寂しいと思っている自分さえいます。ビックリ! 

でもこれは決して恋心とかではないんです。でも、なんで鰻さんとの会話はこんなにも心地が良く、気が付けば求めてしまうのか…私なりに考えてみました。

心地よさの正体とは?

それは自分に対して興味を持ってくれる嬉しさ、そして自分の気持ちや考えている事をゆっくりと聞いてくれる安心感、さらにその事に対して意見せずただただ受け止めてくれる包容力。

心に土足で踏み込まれるのはイヤだけど、鰻さんはモコモコのスリッパを履いて人の心に入って来るんです。これって異性がお互いの会話に求めているものかも!?
女性は男性に意見を求めているのではなくただ自分の話を聞いて欲しい時があるし、男性も女性には仕事や悩み事など自分からは打ち明けにくい。だから女性からさりげなく聞き出して欲しい、という事ってあると思うんです。

楽しい話を共有している時は良いけれど、相手の愚痴や悩みに対する返答やリアクションって難しいな、と私は常々思っていて。何かアドバイスを言ってあげようとして意見をし過ぎるのも良くないし、かといって何も言わないのも冷たいな、と思うし。

男女問わず人と人は会話で成り立っているし、好きな男性にアプローチするときも恋人や夫婦関係を良好にするのも、全ては会話が重要で大切な気がします。もちろん言葉にしなくても解り合える関係性もあるけれど、そんな素敵な関係になるまでにたくさんの言葉を交わしてきたと思うんです。

私は、女性がよく言う「言わなくても私の気持ち解ってよ!」っていう台詞は出来るだけ言わないようにしています。言いたくなる気持ちもわかるけど、言われた方は「そんな無茶な…」です。間違いなく。親しき中にも礼儀ありです。気持ちは言葉に乗せて伝えたい。

難しくて恥ずかしい事だけど、それでも不器用なりに伝えようとする事が相手に対しての愛ですよね。あ、LOVEですよね。

愛を持って接するって大事

鰻さんはきっと意識せずともそういう会話をしていて、伝え方は少しガサツだけど、でも人に対する愛があるから私も心地良かったんだと思います。

でもついこの間、会うなり「今日、誠子の顔大きいなぁ!」と言われたのは心地悪かったです。土足どころか登山用のトレッキングシューズで踏み込んでくるな~!


初公開の内容を盛り込んだ
尼神インター誠子の初エッセイ
書名の「B」は「ブス」のこと。子供のころからBと言われ続けた彼女が、Bと向き合いそして受け入れ、Bを楽しいと思えるようになるまでを綴った初エッセイ本。好評発売中。

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誠子(尼神インター)
お笑い芸人
1988年12月4日、兵庫県神戸市生まれ。趣味は漫才と美容。好きなドラマ「恋ノチカラ」憧れの女性は麻生久美子さん。好きな言葉は「Power of Love!」