あらすじ:男子高校生・ヒョンスは、自ら命を絶つためにアパート・グリーンホームに引っ越してきた。バレエの練習をしている少女・ウニュに出くわしていったんは思いとどまるが、隣の部屋の女性に異変が……。しかしそれは悲劇の始まりに過ぎず、世界中で人間が化け物に変貌する現象が次々と発生。ヒョンスと住人たちは生きるため、過酷な戦いを強いられる。
1話を見始めたら夜が明けて、気づいたら見終わってたドラマ。息もつけないスピーディーな展開に引き込まれること間違いなし。元人間の怪物のビジュアルはどれも衝撃的なうえ、CGのクオリティが高くて驚きます。
ただ、ショッキングな映像や展開の印象は確かに強いのですが、キャラクターの内面、心の交流や変化を丁寧に描いている点にも注目。家族との関係は他人に理解できない複雑さがあるし、人間は矛盾を抱える生きものですよね。
ヒョンスは口数が少なく、正義感に燃える優しいヒーロータイプではないように見えます。しかし、彼がなぜ人生に絶望しているのか……それが明らかになるシーンで、筆者は喉から聞いたことない声が出ました。あと彼はすごく山崎賢人さんに似ています。
ちなみに筆者の推しは、日本刀で戦うクリスチャンのジェホン(てんこ盛りですね)。ゾンビものやダークファンタジーが好きな方はぜひ。
あらすじ:人気麵物屋を営む4人の男女は、人間にとりつく「悪霊」を倒す「カウンター」としての使命を負い、夜な夜な街の平和を守っていた。事故で両親を亡くし、自らも片足に後遺症を抱える男子高校生・ムンはカウンターに任命されるが、それがきっかけで両親の死に関わる巨大な陰謀に立ち向かうことになる。
1話を見始めたら夜が明けて、気づいたら見終わってたドラマその2。序盤からパルクール・ワイヤーを駆使したアクションの連続で、専門用語を覚えつつ世界観に没入できます。特殊能力を持ったヒーローものらしく「アツい」展開で、爽快感やマンガ・アニメっぽさはありますが、戦闘はほぼ肉弾戦だし、なかなかシビアな試練もあります。
そんな中で、主人公であるムンと親友ふたりがめちゃくちゃいい子。信じられないほどいい子。途中から、3人がお互いの身を案じているだけで泣けます。
また、ムンの祖母は認知症の傾向があり、娘(ムンの母親)を失ったショックから彼に辛く当たることも。しかしまだ高校生のムンが、祖母に対して「僕の母親だった時間よりあなたの娘だった時間の方が長い」と労わっていたのが印象に残っています。このようにキャラの愛すべき人間性をうまく表現したシーンが随所にあるので、クライマックスは余計に泣かされます。最終話はもはや爆泣きでした。翌日に予定がない日に見てください。
あらすじ:不滅の運命を与えられ、900年以上孤独に生きてきた「トッケビ」は、自分の生を終わらせることのできる唯一の存在である「花嫁」を探していた。辛い過去を持ちながら、健気に夢を追う女子高生・ウンタクは、自分が花嫁だと主張するが……。
もはやここで言うまでもないファンタジーラブロマンスの最高傑作。韓国では社会現象を巻き起こしました。まず、設定が童話チック・神秘的でありながら細かく作り込まれており、随所に仕組まれた伏線をきれいに回収していく脚本は圧巻。二組のカップルの恋愛と、生きることや死ぬことに関する命題を並行して丁寧に描いています。
またどのシーンも一枚絵のようで、セリフも詩的。世界観にどっぷり浸かってしまうので、完結後は深刻な「トッケビロス」に襲われること請け合い。
印象深かったのは、死者をあるべき場所に送る「死神」の茶房。主要キャラである死神(ものすごいイケメン)は、そこに訪れた死者にお茶を淹れます。お茶を飲んだ人々は生前の記憶を失い、生まれ変わります。そしてこの一連のシーンは何度か挟まれるのですが、そこでのやり取りや登場人物がすべて物語の主軸に直接関係しているわけではありません。
ただ、淡々と挿入されるこの幻想的なシーンは静かに、ドラマを見ているわたしたちがどのように生き、避けられない最期とどう向き合うべきかを、確かに訴えかけてきます。
正直に言うと、展開がすごくゆっくりで余韻を味わうタイプのドラマなので、筆者のようにスピーディーな話が好きな人が一気見するには向いていないかもしれません。でも絶対に後悔はしない、上質で重厚な物語です。すぐにウンタクがめちゃくちゃ可愛いらしく見えてくるし、カナダに行きたくなっているはず。
Netflixで視聴できるおすすめの韓国ドラマをご紹介しました。すべて「現実には起こり得ないことが起きる」ファンタジーものではありますが、目を奪われる映像美やスカッとするアクション、コミカルな掛け合いとともに、現代社会の問題などもうまく取り入れ、画面の前のわたしたちに多くのことを考える機会を与えてくれる作品ばかりです。
韓国ドラマ好きは必修している?「愛の不時着」「梨泰院クラス」「サイコだけど大丈夫」「ヴィンチェンツォ」の次はなにを見よう?という人も、韓国ドラマはあまり見てこなかった人も、まずはぜひ1話をお試しください!
※編集部独自の推薦作品です。
どの作品に関しても優劣を決する意図はございません。