カルテ89:運命の出会いがあった という話を聞くたびに
どうして私には訪れないのかと
思ってしまいます。
私に何か問題があるのでしょうか…。
まるで映画のシナリオのように導かれて、出会って、恋に落ちて──そんな恋愛をしてみたいと思ったこと、一度はあると思います。毎日、代わり映えのしない日々を送っていたりすると、なおさら「どうして私にはそういう出会いが訪れないの?」って卑屈になることだってある。けれど思うんです。恋愛における運命って、向こうからやって来るのではなく、自分で気づくことなのではないかって。目の前に起きていることのなかには、きっと運命になりうる出来事がたくさんあって、それに自分が気づくかどうか、それを運命と思うかどうかなのではないかって。とは言っても、それがなかなか難しいから悩んでしまうわけで……。今回の心理テストには、運命の出会いに気づくためのヒントがあります!
A:「了解」といった短い返事B:ポジティブなスタンプで「許可」
C:自分の都合を語りつつ「OK」
D:既読後しばらくして「良いよ」
あなたはどれを選びましたか? さっそく結果を見てみましょう。この心理テストで分かること
「あなたの出会いを遠ざけているもの」
深層心理において“頼みごと”は、あなた自身が相手(特に異性)に対し、自分の弱みをさらけ出すシチュエーションを意味します。そしてLINEの返答は、あなたが相手に甘える上で障害となる原因を暗示しています。そのため選んだ選択肢により、あなたの出会いを遠ざけているものが分かるのです。
「了解」といった短い返事を選んだあなた……
自分のことに関心がないあなたの出会いを遠ざけている原因は、自分のことに関心がなさすぎるところかもしれません。人のために頑張って、相手が喜んでくれる顔をみるのが好きなあなたですが、それに反して自分自身のことはボロボロなんてことも。ややM傾向が強いのと、相手の言うことを鵜呑みにしてしまいやすい性格も手伝って、傍からみていると「恋に興味がない」ように見えてしまうかもしれません。自分を大切に。
「自分のことに関心がない」あなたに処方したいのは、キャサリン・ハイグル主演の
『幸せになるための27のドレス』。相手が喜ぶ顔をみるのが好きで、ついその人のために頑張り過ぎてしまうタイプなら、この映画の主人公にめちゃくちゃ共感するはず。自分の恋はさっぱり……なのに、友人知人の花嫁付き添い人を何十回と引き受けてしまう超お人好しの女性が、新聞記者との出会いを通じて自分の幸せのために行動することを学んでいく物語です。『プラダを着た悪魔』の脚本家なので、『プラダ〜』が好きならどハマり確定!
ポジティブなスタンプで「許可」を選んだあなた……
人の手を借りたがらないあなたの出会いを遠ざけている原因は、一人で何かをしようとするところかもしれません。たとえ恋愛事でも周囲の手を借りたくないと考えるあなたは、自分の時間と空間を大切にしたいと考えるでしょう。ただ、それがあまりに行き過ぎると、友達からの紹介や出会いのためのキーパーソンに力を借りられない恐れが。せっかくチャンスがあってもフイにしないよう、周囲との円満な関係を心がけましょう。
「人の手を借りたがらない」あなたに処方したいのは、ソフィア・コッポラ監督、キルステン・ダンスト主演の
『マリー・アントワネット』。頼ることは決して弱さではないけれど、厳しい世の中を生きていくには強くなろうとする。そんな“人の手を借りたがらない”タイプは、マリー・アントワネットの芯の強さと反抗精神に惹かれるかもしれません。14歳でオーストリアからフランスの王室に入り、王室という籠から逃れることができなかった悲劇の女性。この映画を見ると、彼女なりに必死に生きていたことが伝わってきます。
自分の都合を語りつつ「OK」を選んだあなた……
周囲に気を遣い過ぎるあなたの出会いを遠ざけている原因は、気を回しすぎるところにあるのかもしれません。周囲のことがよく見えてしまうあなたは、人間関係がこじれないように先を読んでやりたいことを我慢しがち。それはあなたの優しさなのかもしれませんが、それだといつまでも出会いにたどり着けないままになってしまいます。あえて空気を読まず、自分の我を通す勇気を持つことで、出会いをモノにできるようになるはず。
「周囲に気を遣い過ぎる」あなたに処方したいのはジョセフ・ゴードン=レビットとズーイー・デシャネル共演の
『(500)日のサマー』。一方は運命を感じていたけれど、もう一方にとっては運命ではなかったというすれ違いを描いています。一見ふんわりしているように映りますが、実は運命ってそういうもの、叶わないこともあることを突き付けてくる。きれい事を言わないところもこの映画が人気を得ている理由かもしれません。気を回しすぎる人は、ぜひサマーの自由奔放なところを参考にしてみてはどうでしょう。
既読後しばらくして「良いよ」を選んだあなた……
出会いたい気持ちに温度差があなたの出会いを遠ざけている原因は、何でも相手を尊重しすぎて受身すぎるところかもしれません。自分のことなのに、どこか自分のことでないように客観視してしまう姿勢から、恋に一生懸命になりきれないところが。出会った相手もあなたと同じように冷静であればいいのかもしれませんが、恋に「頑張る」タイプなら、かなり傷つけてしまうことも。出会いの温度差を埋める努力が大切なのかもしれません。
「出会いたい気持ちに温度差がある」あなたに処方したいのは
『わたしは最悪。』。ノルウェーの映画です。人生において「これ」というものが見つからずに、自分の人生なのにそうじゃないような感覚で生きている主人公ユリヤ。年上の恋人がいるけれど、恋愛観も人生観もなんだか合わないような。そんなときに、若くて魅力的な青年と出会い、もやもやした人生が変わろうとして……。恋愛映画であり自分探しの映画でもあります。自分のことを客観視しがちな人はユリヤのもやもやが自分ごとのように感じるはず!
相手のLINEの返答が何であるかによって分かる「あなたの出会いを遠ざけているもの」、みなさん結果はいかがでしたか。今回は『幸せになるための27のドレス』『マリー・アントワネット』『(500)日のサマー』『わたしは最悪。』という、色々な視点から女性の生き方を考える映画をセレクトしてみました。「運命」とは、自分の意志にかかわりなく、身の上にめぐってくる吉凶禍福。改めて言葉にすると不可避なことのように感じますが、自分の意志で、選択で、変わるものもある。もしかしたら、これは運命の恋かも?と何かを感じ取ったのであれば、その恋をどうにかしたいのであれば、勇気を持って行動してみる。思ったような結果でなかったとしても、それも運命だったのねって言える、運命って考え方なんだなって思うのです。季節は春です。恋をしましょう!
映画セレクト・紹介文/新谷里映(映画コラムニスト)
心理テスト監修/脇田尚揮(占い・心理テストクリエーター)