結婚式を挙げないカップルが増えている。
1980年代はまだ派手な結婚式が多く、芸能人の結婚式の中継をテレビで見たりすることもしばしばあった。
時代は変わり、日本経済の降下と共にハデ婚からジミ婚へ、披露宴は行わないレストランウェディングが増え、現在は結婚した半数近くのカップルが挙式や披露宴を挙げないナシ婚だという。
ナシ婚の新三大理由は(※2017年5月8日発表(株)みんなのウェディング調べによると)「経済的事情」「セレモニー的行為が嫌」「結婚式以外のことにお金を使いたい」だそうだ。
たしかに、結婚にはお金がかかる。
婚約・結婚指輪、挙式、披露宴、新婚旅行、新生活のための費用……お披露目をしない分、自分たちのためをにそのお金を使いたい、という気持ちもよくわかる。
ただ、ジミ婚でもいい、やっぱり結婚式はいいものだと思うのだ。
そんなふうに、結婚式の良さを再認識させてくれる映画が『幸せになるための27のドレス』だ。
主人公のジェーン(キャサリン・ハイグル)は、優しくて、世話好きで、お人好しで、これまでに27回もブライズメイドを引き受けている。
いつか自分も運命の人と素敵な結婚式を挙げることに憧れて。ところが、彼女がずっと想いを寄せていた会社のボスが選んだのは、ジェーンではなく妹のテスだった。
あっという間に結婚が決まり、ジェーンは妹のために28回目のブライズメイドを引き受けてしまう。
そんな彼女に興味を持った新聞記者のケヴィン(ジェームズ・マースデン)は、取材目的で近づいて──というロマンチックコメディだ。
婚姻届を出すだけのナシ婚もいまの時代を象徴するひとつの形かもしれないが、こういう映画を見ると、シンプルでいい、やはり結婚式は必要なのではないかと思ってしまう。
もちろん式を挙げても挙げなくても離婚する人はいるし、その逆だって言える。
しかしながら、アラフォーになっても結婚はしたい、結婚式も挙げたいと思うのは、20代に結婚した友人たちが結婚式を挙げてくれたからだ。幸せの瞬間を目撃したからだろう。
そういえば、数年前からソロウェディングなんていうものも登場した。
結婚式はしないけどウェディングドレスは着ておきたい、一生着る機会がなさそうだから今のうちに着ておきたい、ドレスが似合う年齢のうちに記念写真を撮っておきたいなどニーズは様々らしいが、一度着てみることで結婚に対する気持ちがいい方向へ進むのであれば、試してみたい気もする。(text:Rie Shintani)