charmmy TOPライフスタイル毎日はきっと「奇跡」で溢れている──「奇跡」を届ける配達人『空想郵便局』

毎日はきっと「奇跡」で溢れている──「奇跡」を届ける配達人『空想郵便局』

こんにちは! イラストレーター・あんどうまみです。漫画大好きな私が、オススメをご紹介するこちらのコラム。今回の作品は、生き返るために「奇跡」を届ける配達人となった男の子の物語、朝陽昇『空想郵便局』。絶対泣ける、心のデトックス漫画です。(今回ご紹介した漫画のイラストは、私が愛を込めて描いたものです)

●あらすじ

変化のない毎日を退屈気味に感じていた高校生・村瀬真今(まこと)は、ある日バイクで交通事故に遭ってしまう。気づくと、何もない真っ白な空間にいた真今。そこで不思議な存在に、生き返るための取引を持ち掛けられる。それは、「奇跡」を届ける配達人になることだった──。

●毎日はきっと「奇跡」で溢れている

「「死にたくない」って必死で思ったんでしょ」
「あれが私達の本当の気持ちなら
    どうしてそれを ずっと隠していたのかしら
    土壇場でバレるような嘘に
    私達 いつから 人生をかけてたのかしら」
(3巻 9話 守護剣)

「死ぬまでずーっと こんな感じで続いていくのかな…?」(1巻 1話 白い鳩)と、惰性的な日々を送っていた真今。

でも、いざ死ぬとなると「死にたくない」と思う。
やり残したことが、大切な人が次々と浮かんでくる。

じゃあ、なんでもっと必死に毎日を生きていないの?
そう問いかけられているようでドキリとする。

死にたくない。
でも、生き返って何がしたいのか。
自分は何の為に生きているのか。

配達人として様々な人生に触れ、真今は「生きる意味」を考えるのです。

幼馴染が不良とつるむようになり、心配する女の子。
ギャンブル好きの、だらしのないヒモ男。
家庭での疎外感から、不倫に走りかけるサラリーマン。

そんな彼らに真今が届ける「奇跡」は、ほんの些細なこと。
でも、人生はそんな些細なきっかけで大きく変わるのだ。

どの話も胸に響くものばかりで、自分を省みながら読んでしまうのです。

「『奇跡』は人間が産んだ
     最高の空想だよね」
(3巻 12話 空を想う人々)

奇跡なんてないかもしれない
でも信じれば、きっと「奇跡」はある。

毎朝目覚めて陽の光を浴びれること
好きな人と一緒にご飯を食べられること
大好きな歌をくちずさめること

それらもきっと全て「奇跡」で。
私たちの毎日は「奇跡」で溢れているんだ。

失って初めて「毎日」という「奇跡」に気付くんじゃなくて、日々を愛おしく大切にして生きていきたい。

人生にはいくつも選択肢があって悩んでしまうけど、「しない」も「する」も私の自由なら、悔いのない方を選ぼう。
いつか来る最後の日に、「楽しかった」って言えるように。

そんなことを思わせてくれる漫画です。
心のデットクスをしたい時は是非読んでみてください!

マッグガーデン
朝陽昇『空想郵便局』
全3巻
あんどうまみ
漫画家・イラストレーター
北海道で漫画を描いたりレポーターをしたりしています。2012年度準ミス日本。第28回KADOKAWAコミックエッセイプチ大賞A賞を受賞し漫画家デビュー。漫画とおしゃれとかわいい女の子が大好き。ファッションや美容について綴ります。