【目次】1.モラハラ夫とは?
2.モラハラ夫の一般的な特徴と原因
・モラハラ夫 10の特徴
・モラハラ夫の原因
3.モラハラ夫の弱点
4.心理のプロがモラハラ夫を大解剖
5.あなたの夫は大丈夫?
「モラハラ診断」で即チェック!
6.モラハラ夫への対策:心理的アプローチ
・効果的な対応
・やってはいけない対応
7.限界なら「逃げる」事も視野に
・子供に与える悪影響
・離婚をする際の注意と対策
1.モラハラ夫とは?
モラハラとは、モラルハラスメントの略。態度や言葉で、相手に精神的な苦痛を与えることを指します。つまりモラハラ夫とは、家庭で妻に対してモラハラをする人のこと。特に、穏やかで優しかった男性が結婚後にモラハラ夫になる場合がよくあります。
常に妻をけなして執拗に責め立てることで、精神的に追い詰め、自分の思い通りになる人間に仕立て上げるのが典型的なパターン。初めのうちは、妻のほうが「あれ、何かおかしいな?」と感じるぐらいの小さな違和感かもしれません。それが次第にエスカレートして、恐怖の存在でしかなくなる前に……。早い段階で対処するのが重要です。
2.モラハラ夫の一般的な特徴と原因
ここでは、モラハラ夫の決め手となる10の特徴と、その原因を解説。夫の言動が気になるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
【モラハラ夫 10の特徴】
①謝らない
常に自分は正しく相手が悪いという考えがあり、謝ることをしません。
②人のせいにする
③精神的に傷つく言葉を使う
相手が精神的に傷つく言葉を平気で発し、相手を攻撃します。
④うそをつく
都合の悪いことがあったり不利な立場になったりすると、すぐにうそをつきます。
⑤何に対しても責め立てる
些細なことでも、気に入らないと徹底的に相手を責め立てます。
⑥無視する
都合の悪いことや自分のしたくないことに対しては、他人事であるかのように無視し続けます。
⑦世間体はいい
自分が可愛く他人から良く見られたいので、世間体は良いことが多いです。
⑧束縛が強い
相手が自分のコントロールから外れることが不安なので、束縛が強くなります。
⑨感情の起伏が激しい
感情を抑えることが苦手で、気に入らないことがあるとすぐに激怒します。
⑩嫉妬深い
パートナーを信じられず、自分に自信もないので嫉妬深くなります。
【モラハラ夫の原因】
①親がモラハラだった
親がモラハラだと、小さな頃からその影響を受け続けモラハラ夫になる可能性があります。モラハラありきのコミュニケーションしか見ることがないため、モラハラが普通という基準が作られるのです。
②親が過干渉だった
親が過干渉で、抑圧されて成長するとモラハラ夫になる傾向が見られます。それは、自分の鬱屈した思いを誰かにぶつけて発散したいという悪い意味での欲望の表れ。力があれば人を抑圧して言うことを聞かせてもよいと考えてしまうのです。小さな頃から親が先回りして身の回りの世話をしていたせいで、自分で行動してうまくいかないと大きなストレスを感じ、妻に当たるようになります。
③自分に自信がない
自分に自信のない男性は、モラハラをすることで自尊心を満たそうとします。また、妻に対して反撃を許さないという支配的な感情だけでなく、自分を褒めて持ち上げてほしいという感情も同時に持ち合わせているのです。ですから妻に低い評価をされると、自尊心が耐えきれずに攻撃的になってしまいます。
3.モラハラ夫の弱点
モラハラ夫が家の中で見せる傍若無人な振舞いは、実は弱さの裏返し。自分が弱い人間だと分かっているからこそ、相手を恐怖感で麻痺させ支配しようとするのです。ここでは、モラハラ夫の弱点を3つご紹介。恐怖の存在でしかない夫に対しても、弱みを把握していれば落ち着いて対応できるかもしれません。
①関心や承認がないと不安になる
モラハラ夫は「かまってちゃん」です。自分のことをいつも見ていて欲しい、褒めて欲しいと思っているので、相手からのリアクションや承認がないと不安になります。
②孤独が苦手
モラハラ夫は孤独が苦手。何らかのコンプレックスを持っていることが多く、1人になると(負の)自分を直視しないといけないため辛いのです。そのため、妻が外出したり働きに出たりすることを極端に恐れます。
③強気な人には大きく出られない
モラハラ夫は基本的に弱い人間。相手との力関係を見極めて、自分より弱いものにのみ高圧的な態度をとります。逆に言うと、強いものやズバズバ物を言う人に対しては、大きく出ることができません。
4.心理のプロがモラハラ夫を大解剖
なぜこの世にモラハラ夫が生まれてしまうのか……。その原因により深く迫るのは、ご自身もモラハラ夫の被害に悩み、問題に向き合った心理カウンセラー北原きょうこ先生。リアルなご経験と心理学に基づいた視点から、モラハラ夫の心理について語ってくれました。Q&A形式でご紹介します。
Q:モラハラ夫になってしまう原因は何でしょうか?
A:モラハラ夫となってしまう原因の一つに、育ってきた家庭環境があります。
親もモラハラを受けていたり、親から過保護、過干渉な状態で育てられたりしてきた場合、モラハラ夫になりやすくなります。
親からの愛情が少ない場合も、モラハラになりがちです。愛情を受け取ったことがないため、自分に自信が持てず、モラハラという行為で相手を支配しようとします。親子間のコミュニケーションが希薄なため、人間関係をうまく構築できないことも、モラハラを引き起こす原因です。
Q:家庭環境以外に、何か原因となるものはありますか?
A:モラハラは、突然起きたり、急に悪化したりする場合があります。このパターンは、モラハラ夫のストレスと大きく関係してします。仕事がうまく行かない、上司と意見が合わない、趣味を楽しむ時間やお金が無い、といったストレスが家庭へと向けられ、モラハラへとエスカレートしていくのです。
Q:モラハラ夫の心理状態は、ズバリどうなっているのでしょうか?
A:モラハラ夫が相手を傷つける行為の裏側にあるのは、実は愛情です。
自分に自信がないからこそ、相手が逃げていかないようモラハラ行為で縛り付けようとします。愛されているかどうか、常に不安を抱えているからこそ、暴言を吐いたり、ひどい態度を取ったりすることもあります。モラハラは、何を言ってもこの人はそばから離れない、ということを確認するための行動なのです。
5.あなたの夫は大丈夫? 「モラハラ診断」で即チェック!
モラハラ夫についての理解を深めたところで、北原先生作成のモラハラ診断をしてみましょう。診断ごとにアドバイスもありますので要チェックです!
【モラハラ診断・チェックリスト】
●以下の12項目のうち、いくつ当てはまるかを数えてみてください。
・機嫌が悪くなると無視する
・人や物、ニュースなどをよくけなす
・トラブルを他人のせいにする
・友人がいない・人付き合いを嫌う
・小さなことですぐに怒り出す
・プライドが高く自信家である
・人前で妻や子の悪口を平気で言う
・友だち付き合いや外出を制限してくる
・一度不機嫌になるとその状態が長時間(期間)続く
・外見や外面が良い
・他人に厳しく自分に甘い
・食事に対して文句を言ったり、食べなかったりする
さて、あなたの夫はいくつ当てはまったでしょうか? 個数ごとの診断結果を見てみましょう。
■0~2個の場合
今の段階では、モラハラ夫である可能性が低いといえます。
ただし、0個の場合は良いのですが、1~2個でも当てはまる部分がある場合は、ゆるやかにモラハラが進行する可能性があります。1年に1回程度チェックしてみましょう。
■3~6個の場合
モラハラが始まっている恐れがあります。
彼はモラハラ夫の原因を引き起こすような、前述の過去やストレスを抱えているかもしれません。現在の家庭環境がモラハラ夫を作り出していないか、一度見直してみましょう。
■7~9個の場合
モラハラ夫である可能性が非常に高いです。
「夫が怖い」「夫と一緒にいるのがストレス」と感じているようなら、今すぐ対策を打ちましょう。精神的、体力的に、余力があるうちの行動が重要です。
■10個以上の場合
完全なモラハラ夫です。
あなたの心はすでに疲弊し、動けなくなっているかもしれません。自分を守るため、専門の相談窓口なども利用しながら、モラハラからの脱出を目指しましょう。
6.モラハラ夫への対策:心理的アプローチ
北原先生によると、結婚相手がモラハラ夫だった場合、悪化するか改善されるかは、妻側の言動や行動に大きくかかっているとのこと。モラハラ夫への「効果的な対応」と「やってはいけない対応」を教えてもらいました。
【効果的な対応】
・自分が悪くない場合は謝らない
・気持ちをちゃんと伝える(直接が怖い場合はメールやSNSでもOK)
・友人や専門機関など第三者へ相談する
・攻撃的な言葉は深く受け止めず、右から左に流す
・夫の良いところを褒める
・子供がいる場合は子供よりも夫を優先する
北原先生アドバイス
怒られたらすぐに謝る、言いなりになる、という習慣がついている場合、モラハラは今後もエスカレートしてしまうでしょう。また、モラハラは環境の変化で改善されるのではなく、夫側の意識を変えることが重要です。知らず知らずにうちに、夫が愛情不足を感じるような行動や言動を取っていないか、一度振り返ってみましょう。
【やってはいけない対応】
・怒られるとすぐに謝る
・すべて夫の言いなりになる
・環境の変化に期待してしまう(子供ができたら変わるかも……など)
・夫の考えを否定する
・夫との行動を避ける
・モラハラの本を読ませる、カウンセリングへ行こうとする
モラハラ夫は愛情に飢えています。妻が子どもへ注ぐ愛情に嫉妬するケースも多いため、家庭の中で大切な存在であることを、大げさなくらいに表現してあげましょう。自分に非がない場合は毅然とした態度で接し、夫からのマウンティングを許さないことや、一言一言を重く受け止め落ち込み過ぎないことも大切です。
モラハラをする夫に対しては、毅然とした態度と同時に、愛情を示してあげるのが効果的なようですね。
ただ、モラハラの根が深く改善が難しいこともあるかもしれません。そんな場合は、別の手段を考えてみましょう。
7.限界なら「逃げる」も視野に
もし、夫のモラハラが改善せず、もう限界と感じているなら「逃げる」も視野に入れてみてください。子供がいるなら、なおさら。モラハラ夫は、子供に次のような悪影響をもたらす可能性があるからです。
子供に与える悪影響
・妻へのモラハラに子供を利用:言葉巧みに子供を味方につけて、一緒にあなたを攻撃します。あなたに対する悪いイメージを子供に植えつけようとすることも。
・子供へのモラハラ:モラハラ夫の矛先が子供に向く場合も。子供に対して暴言を吐いたり、子供が嫌がることを無理強いしたりします。
・子供のモラハラ化:モラハラ行為をする父親の姿を見て育つと、子供はそれが当たり前のものと感じるように。そうなると将来、父親と同じようなモラハラ夫になる恐れが。
変わることのないモラハラ夫から子供を守るには、「物理的に離れる=離婚」しかありません。
離婚を決断したら、対策をしっかり立てて着実に進めましょう。離婚をする際の注意点や対策をまとめておきます。
離婚をする際の注意と対策
①まずは別居する
物理的に距離を取り、接触を避けましょう。実家や友人の家、ホテルなどに滞在し、まずは心を落ち着かせることが大事です。自治体にあるDVシェルターも利用できます。地域の女性センターなど公的機関に相談してみましょう。
モラハラの証拠を残しておくことは、あなたの立場を守りながら離婚を進める上でも重要なポイント。できれば夫の暴言やいやがらせを録音、録画すること。日記をつけるのもいいでしょう。日付や時刻と内容、あなたがどう感じたかなどを、継続的に記録することが大切です。
③夫の要求に譲歩しない
モラハラ夫の対応に疲れ果ててしまうと判断力が鈍り、相手の要求に譲歩しがち。しかし決して、相手に丸投げしてはいけません。不利な結果につながるだけです。
④感情的にならず冷静さを保つ
モラハラ夫との会話では、冷静さが肝心。感情的になってしまうと、ここぞとばかりにあなたを加害者扱いしたり、問題の原因にしたりします。モラハラ夫は、あなたが淡々と対応することで、勢いに頼ることができなくなり動揺します。常に冷静さを保てば、主導権を握ることができるでしょう。
いかがでしたか? モラハラ夫に今現在苦しんでいるあなたは、できることから即行動につなげてみてください。耐えているだけでは何も変わりません。
あなたの明るい未来を応援しています!
●監修カウンセラー
北原きょうこ
心理カウンセラー。専門分野:恋愛、結婚生活における悩み。LINEトークCAREでも相談受付中。
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