charmmy TOPライフスタイル「徳を積む」とは?オタクが実践するチケット争奪戦必勝法がピュア過ぎる

「徳を積む」とは?オタクが実践するチケット争奪戦必勝法がピュア過ぎる

オタクの方々は「徳を積む」ということをよく口にします。彼らの界隈ではすでに市民権を得た言葉だそうですが、一般の方々にはあまり馴染みがないでしょう。なんだか厳かなその言葉について調査すると、推しのために生き方を変えるオタクの方の驚くべき奥深さ、純粋さに出会いました。では「徳を積む」とはどういうことか、解説していきます。

▼「徳を積む」のオタク的用法

オタク的解釈では「徳を積む」とは「世のため人のためになるあらゆる行い」のことです。道端のゴミを拾う、電車で席を譲る、誰も見ていなくても信号を守る……そういう一般的に善いとされる行いを重ねれば、いずれは自分にも良いこと(=オタク活動におけるうれしいこと)があるから、できるだけ善い人間でいようという考えのもとで使用されています。

例文①「ライブのチケットを当てたいので徳を積みます」
例文②「握手券が当たらなかったのは徳が足りなかったからでしょう」
例文③「どれだけ徳を積んだら推しからファンサービスがもらえますか?」

※わかりやすさのため、ここでいうオタクは「推し」が実在するアイドル、アーティスト、アスリートなどのファンに限定しています。

自分が幸せになる可能性を高めるためには、周囲も幸せにする(かもしれない)善い行いが効果的に違いない……。「善い行いをして徳を積むことで、自分も周囲もウィンウィンだ」というわけです。なんというポジティブさ。

▼オタクが「徳」を持ち出す理由その1

そもそも、なぜそういう考えに至ったのかというと、オタクというものは多くの場合、ことあるごとに自分の運を試されています。例えばアイドルオタクがドームを埋めるレベルのグループを応援しているなら、どれだけ努力をしても(正規のルートで勝負している限り)運が良くなければライブのチケットは手に入りません。

常に当選し続けることも、アリーナ席や最前列が当たり続けることもあり得ませんし、アイドルを追いかけるうえで、ルールを守っているいちファンの思い通りになることは、本当にわずかなのです。そして、結局のところオタクの敵は、最終的に運とかツキとかいう奴なのですが、それらは目に見えず、人間の手に負えるものでもありません。

推しも、運営も、日程も、限られた良席もなにひとつ左右できず、見知らぬ幸運なファンを羨んだところで仕方がない。オタクはいつか、厳然たる現実を動かすためにできることは「自分の振る舞いや考え方」を変えることだけだ、ということに気がつくのです。

幸運に恵まれるための「振る舞いや考え方」を考えたとき「善い人間になろう」という結論に達するのは、ごく自然なことと思われます。善いことをすれば「徳(善行)ポイント」が貯まっていき、抽選結果はその多さで決まると考えれば、世の中は捨てたものではない気がしてきますね。落選しても、「当たった人はきっと幸運に恵まれて然るべきだった」「自分はその幸運に見合う人間ではなかった」と、自分の中で平和的に消化することができます。

善い行いは面倒で、善い人間でいようとすることはとても難しい。だからこそ、いくら推しに会いたくても、不正に手を染めず、誠実に応援し、推しに恥ずかしくない自分であろうと一生懸命生きているオタクたち。その純真が、いつかは報われる日がくるだろうと考えるのは、ある意味とても健全な精神構造と言えるかもしれません。

▼オタクが「徳」を持ち出す理由その2

また、オタクの一部にとって、推しは神にも等しい存在です。深刻なオタクは「こんなにも素晴らしい存在がなぜ生まれてきたのか」などということに思いを馳せて、「きっと前世で国を救った」「1000人の命を救った」とフワッとした輪廻転生説を唱えます。それだけ偉大な人間が生まれ変わったのでなければ、推しの素晴らしさに説明がつけられないからです。

そして、自分にとってそんなにも尊い相手に、ライブやサイン会でお目にかかれるとしたら、まずは自分の見た目を気にするでしょう。たとえ相手からは見えていないとしても、できるだけ美しい姿で……と思うのは自然なことです。しかし深刻なオタクはさらに深く、推しと比べた場合の自分自身の価値について考えます。

前世で偉人レベルだったかもしれない推しに対し、自分があまりにもちっぽけであることについて思いを巡らせ、生き方を見直そうと思うのです。「こんなに素晴らしい人間が努力してここに立っているのに、自分はなにをしているのだろう?」「自分は来世人間に生まれ変われるだけのことをしてきたか?」「今から推しにふさわしい人になることはできなくても、せめて善い人間でいようとすることはできるかもしれない。よし、徳を積もう」と。

▼徳を積む方法として代表的なもの

では、「徳を積む」とは具体的にどんなことを指すのか?簡単ではありませんが、考えようによっては人として当たり前で、すぐにでも始められる方法もたくさんあります。

・チケットの転売、非公式グッズの売買、出待ちなど、公式が許可していないことはしない
・勉強や仕事に一生懸命打ち込んで結果を出す
・料理や掃除など、苦手なことにもできるだけ挑戦してみる
・余裕をもって起床したり、身体を鍛えたり、日々丁寧に暮らす
・習い事や資格の勉強など、新しいことを始める
・人に優しくする

▼まとめ

オタクが言う「徳を積む」とは?
→誰が見ても善い行いをすること。
なぜ「徳を積む」のか?
→オタクはことあるごとに運試しをさせられており、その結果は誰にも左右できないため、日頃から善い行いをすれば良いことが訪れるかもしれないと期待している。
→または、推しに対して少しでも恥ずかしくない自分になりたい。

以上、「徳を積む」という考えについてオタク的解釈を説明してみました。「幸運でしか手に入らないものがある」から、「善く生きる」という結論に達したオタクのみなさんの純粋さ、前向きさ。もはや哲学の粋ですね。自分がついていないと感じるとき、このオタク的解釈が気持ちを上向かせるヒントを与えるかもしれません。

charmmy編集部
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