今から10年程前、わたしはハチミツ屋さんでアルバイトをしていました。そこで知り合ったバイト仲間が結婚し、その後めでたく妊娠。彼女はわたしの人生で初めて身近に訪れた「妊婦さん」になったのです。
今思うと、わたしは“初めての妊婦さん”に特別な尊さを感じていたのかもしれません。彼女がくちにする「◯◯のニオイがつらい」「すっぱいものが食べたい」といった悩みですらなぜかカッコイイ言葉のように聞こえてしまい、わたしもいつか妊娠したら絶対そのセリフを言ってやろう!と変に意気込んでいたほどでした。
そんな彼女が退職する際「無痛分娩にする」と言ったもんだからもう大変!「なにそれ!なんか分かんないけどカッコイイ!」これがわたしが無痛分娩を知ったきっかけであり、決意した最初の理由でもありました。
当時はまだあまり知られていなかった無痛分娩ですが、10年経った現在ではメジャーになりつつあるように思います。対応している産院も増えていますし、ネットや書物などで簡単に情報を得ることもできます。
一方で反対意見を耳にすることもしばしば。実際、無痛分娩を決めたわたしに向けられたそのほとんどは
など、“お腹を痛めて産むことが赤ちゃんへの愛情に結び付いている”といった内容でした。
だけどもし、こういった“陣痛信仰”によって妊娠や出産を懸念されてる方がいたとしたら、安心してください! 無痛分娩で産まれてきた娘を、わたしはめちゃくちゃ愛していますから!
無痛分娩には陣痛のつらさを緩和する以外にも、さまざまなメリットがあります。
わたしが産院の先生から聞いたのは、母体の身体的な負担が減らせること。それによって陣痛中も赤ちゃんに十分な酸素を送ることができること。また、出産中も意識がはっきりしているので、我が子が出てくる瞬間をこの目でしっかり見ることもできるんです。
そんな無痛分娩の良さを知ることで、出産の選択の幅がもっと広がればいいなと思います。