好きになった人が、自分よりも年上か年下かって気になりますか?
日本人は世界から見ても年齢を気にすると言われています。たしかに、履歴書には生年月日の記入欄がありますし(欧米では年齢や性別は書かない)、合コンでも当然のように聞かれる、婚活パーティは年齢で分けられる……何かと年齢を意識することって多いです。
そんなふうに年齢を意識しすぎるからなのでしょうか、女性は実際の年齢よりも若く見られるとうれしく感じるものです。でも、パリジェンヌのライフスタイルの書籍を読んだり、フランス映画を見るようになって、考え方が少し変わりました。
年齢も女性の魅力
フランス女性の生き方から教えてもらったのは、大袈裟にいうと「シワも美しい」ということです。
自分らしく生きていると、年を重ねるのは恐いことじゃない、年齢も女性の美しさの一部として捉えている、その考え方を真似したいなぁと思ったのです。
といいながらも世界の平均値でみると、男性は年下の女性を、女性は年上の男性が好き、という研究結果が出ている。アメリカの心理学者デビッド・バス氏が37ヵ国を調査した結果です。(※参考文献「女と男のだましあい ヒトの性行動の進化」)
生物学的にみても女性が男性よりも早く思春期を迎える=女の子が早熟であるというのも、恋愛に影響を与えているのかもしれません。
冒険から始まったアンヌの恋は…?
今回、紹介するフランス映画『グッバイ・ゴダール!』は、女優であり、作家であり、映画監督ジャン=リュック・ゴダールの2人目の妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説の映画化です。
パリで暮らす哲学科の学生アンヌが、うんと年上のジャン=リュック・ゴダール監督と恋に落ち、彼の映画の主演女優となり、そして妻になる──
刺激的な毎日を送るなかで、アンヌがゴダールから色々なことを吸収し、女優として、ひとりの女性として、成長する姿を描いていきます。
映画を見ていて思ったのは、19歳のアンヌにとって36歳のゴダールとの恋愛は“冒険”に似ていたのではないかと。
お互い強く惹かれるものがあって、愛し合っていたのはもちろんですが、その人を好きになるきっかけ、愛の入口にはいろいろあるものです。
憧れ、尊敬、興味、共感、才能……そこに冒険もある。
興味と似ていますが、冒険はそれよりも挑戦的というか、この人と恋愛をしたらどんな世界が待っているのか、この人と人生を歩んだらどんな経験ができるのか、ゴダールは冒険してみたい魅力的な相手だった。
2人が生活を始めた頃は、どこへ行き、誰に会い、何をして何を食べるのか、すべてゴダールが決めていましたし、革命に傾倒していく彼とアンヌは行動を共にしていました。しかし、徐々に自分自身はどうしたいのかを見い出していきます。
単に彼が好きで好きで仕方ないのであれば、そのまま一緒に革命に身を投じてもいいはずです。でも、彼女はそうではなかった。
けれど、そこに愛があったからこそ、愛を失って別れたのはでないからこそ、アンヌはゴダールとの日々を描いた本を2冊──「彼女のひたむきな12ヵ月」と「それからの彼女」(『グッバイ・ゴダール!』の原作)を書いたのではないでしょうか。
“恋愛は人を成長させる”と言いますが、その成長とは冒険のある恋愛のことを指すのだと、この『グッバイ・ゴダール!』を見て思った。女の愛について考えた映画でした。
『グッバイ・ゴダール!』
7月13日(金)公開
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
出演:ルイ・ガレル、ステイシー・マーティン ほか
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