今でこそ子なしを受け入れ仲良くやっている私達ですが、ここまでくるには長い長い葛藤がありました。
周りを妬んだり、叶わない願いに泣きながら過ごした日々。
その葛藤は20代半ばころからはじまりました…
私の出身は地方だったこともあり、友人達は若いうちに結婚し、子供がいるのが当たり前の環境でした。
晩婚、子なし夫婦なんて言葉はあまり通じません。
みんなに比べると結婚も遅かった私は焦っていました。
順調に大人の階段を登っていく友人達に比べ、足踏みのままで先に進めていない気がしてなりませんでした。
友人とのグループLINEは幸せな妊娠&出産報告で溢れ…
年賀状には、マイホーム建てたから遊びに来てね! とお決まりのフレーズが並んでいました。
年賀状を見るのが苦痛って、何かに書いてあったけど本当だったんだな〜
ボンヤリそんなことを考えながら、友人達の幸せ報告にも笑顔で返せなくなっている自分がいました。
行き場のない妬みや嫉妬…
私がこんなに惨めなのは全部Kちゃんのせいだ!!
そのねじ曲がった感情は、間違った方向に向いていきました。
それからというもの、行き場のない感情をKちゃんにぶつける日々が続きました。
みんなはもう子供がいる! 将来どう考えてるの!?
一生賃貸で暮らすつもり? 私とのことなんて何も考えてないんでしょ!?
結婚したんだから、もっとちゃんとしてよっっ!!
完全に冷静さを失った私。溢れ出した言葉はもう止まりません。
そのとき、今まで黙っていたKちゃんがポツリと話し出したんです。
ゆき蔵が今、求めていることは俺には叶えてあげられない。
もし、俺と別れて今より幸せになれるならそうしたらいい。
直後、Kちゃんに言われた一言にハッとさせられました。
ゆき蔵、変わっちゃったね。
私が変わった…?
思い返せば昔の私は、誰のことも羨むことなくKちゃんがいてくれるだけで幸せで、いつも笑っていた記憶しかありませんでした。
なのに、周りの環境に流され自分の置かれた立場も考えず、あれも欲しいこれも欲しい!
と、欲深くなり…一番大切なことを見失っていました。
それどころか、手放してしまうところでした…。
私が一番欲しかったのって…子供だったっけ? マイホームだったっけ?
違う違う! そうじゃなかった!! 最愛の人と生きていく人生だったじゃないか!
暗くて終りの見えないトンネルの出口をやっと見つけることができました。
長い長い葛藤から抜け出せた瞬間でした。
葛藤から抜け出せた今になって思うのは、あのときは何にも見えてなかったな〜ということです。
子供が欲しいと言っても現実は年の差もあり、なおかつKちゃんは不安定な自営業。
夫婦二人暮らしなら何とかなりますが、ここに子供が加わったら全員が満足できる暮らしが果たしてできたのか。
そんなことも考えず、あのときの私は世間一般から見た家庭像を求めていました。
結婚して数年が経ち、周りから子供はまだ? と聞かれることもありますが
子供は事情があって考えてないんです。でも、夫がいるから問題なしでーす!!
と、笑って答えられるようになりました。
足踏みのままで登れていなかった大人の階段を少し登れたような気がします。
他人を羨まず、自分の幸せを見つけることが大切なんだと。
これからも忘れずに過ごしていこうと思います!