夏に見たくなる映画、ありますか?
その季節がやってくると思い出す、何度も見ているけれどまた見たくなる映画ってありますよね。
伝説のフリーダイバーがモデル
暑い季節になると、必ずといっていいほど見たくなる映画のひとつは、リュック・ベッソン監督の『グラン・ブルー』。
世界的なフリーダイバー、ジャック・マイヨールをモデルに、彼のライバルで親友のエンゾ・マイオルカとの友情と挑戦、そしてマイヨールを愛した女性の物語です。
1988年に公開されたときは『グレート・ブルー』というタイトルでしたが、1992年に『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』として公開されました。完全版は49分長くなっています。
フランス人ダイバー、ジャック・マイヨールをジャン=マルク・バールが、イタリア人ダイバー、エンゾ・マイオルカをジャン・レノが演じています。
男のロマンに女は引き寄せられる?
ボンベを使わずにたった一度の呼吸で、深い海の世界へ潜っていくダイバーたちの姿、彼らを通して映し出される海の美しさ、何度見てもその世界観に魅せられ、ため息が出っぱなしです。
この映画の成り立ちとしては、監督のリュック・ベッソン自身が10代の頃からダイバーだったそうで、ジャック・マイヨールの協力を得てこの映画は作られました。
男のロマンですね。
映画のなかでのジャックとエンゾが潜水記録を競い合うのもまた男のロマン。もう男のロマンだらけです。
そんなふうに何かに夢中になる男性に女性は惹かれるもので、ロザンナ・アークエットの演じるジョアンナもそのひとり。
保険調査員として事故現場の確認に訪れた先でジャックと運命的に出会い、彼のことが忘れられず、追いかけてしまう。仕事よりも恋を選んでしまう。こっちは女のロマンです。
彼を追いかけてしまう気持ち、すごくよくわかります。
何度も見たくなる理由は…
海の描かれ方が美しいのはもちろんですが、ジャックとジョアンナのセックスシーンも美しくて──。
まるで深い海のなかで波に揺られているかのような、イルカと泳いでいるかのような、曲線がとてもしなやに艶やかに映し出されます。
でも、男のロマンを女は100%受け止めることなんてできない……と、現実を突き付けられる。
この映画を何度も見たくなるのは、男と女の違いがはっきり描かれていて、男のロマンを知りたい、理解したい、と思うからなのかもしれません。
自分のことを「愛している」と言いながらも、気づけば隣にはいなくて、海でイルカと泳いでいる。命の危険を冒してまで潜水記録に挑戦する。
ラストシーンのジョアンナは切なすぎます。それでも、ジャックを愛している彼女の愛の貫き方に、女性は共感するのだと思います。
映画の舞台に恋焦がれて
『グラン・ブルー』を見返すたびに、映画の舞台にもなっているシチリアのタオルミーナに行きたくなるんですよね。
今年こそ……!?