私には兄がいます。それはもう優れた人で、挫折を知らないパーフェクト人間です。
誰からも好かれ、ずば抜けたスピードで出世をしたエリート。親戚の集まりがあれば兄はいつも話題の中心でした。
「兄妹なのに何で私には何もなくて兄は全て持ってるの?」
比べることじゃないと分かっていても、妹である私は劣等感を抱かずにはいられませんでした。
そんな優れた兄に追いつくため、結婚くらいは早くしたい! とずっと思っていました。
今考えれば本当に浅はか…でも、劣等感から逃げたくて必死だったんです。
私の最大の黒歴史…それは離婚。
二十歳を過ぎた頃…。まだまだ世間知らずだったにもかかわらず、私は結婚しました。
早過ぎるし、未熟だった…でもあの時は、早く両親から認められたい! 安心して欲しい!
と常々思っていました。それに加えてUの家庭環境は「結婚するならこんな人!」と言わんばかりの好条件。
Uのことは好きでしたがそれ以上に、この人なら両親に安心してもらえる! と思う気持ちが膨らんでいきます。
お互い結婚願望が強かったこともあり、とんとん拍子で結婚に至りました。
…そう、ここまでは良かった。ここからが黒歴史の幕開けだったのです…。