Uのご両親はとても温かい人達でした。
とくにお義母さんは私を実の娘のように可愛がり、無条件に愛してくれたんです。
そんなお義母さんが愛しそうに小さなベストを編む姿を見た時、私は罪悪感で心が押し潰されそうでした。
「私は裏切り者だ! お義母さんごめんなさい…でも、Uとの子供は考えられない!」
逃げ場のない感情に自分を責めることしかできず、心はどんどん蝕まれていきました。
しかし、蝕まれていたのは心だけではなかったのです。
もともと不正出血しやすい体質なので、いつもは異変を感じても「そのうち止まるでしょ」くらいに放っておいていました。
でも、この時は体験したことのない出血量だったのです。
汚い話ですが、便器の中は真っ赤に染まり、見ただけで貧血を起こしそうなほどでした。
「こんな状態が続いたら体がもたない。もう限界かもしれない」
トイレにうずくまる私の頭の中には、「離婚」の二文字が浮かびはじめていました…。