カルテ78:私の好きな人はイケメンで めちゃくちゃモテます。
ライバルもいるけど
相手の子の悪い噂をこっそり
流して脱落させています。
やっちゃいけないって
わかっているけど
恋の欲望には勝てません!
たとえば恋愛映画のなかで、イケメン男子が地味な女子を好きになって、イケてる高飛車女子たちがキーッとなって、いじわるを仕掛ける……なんて場面、見たことあると思います。人生一度きりですから、好きになった人に振り向いてほしいのは誰だって同じ。けれど、相手の悪い噂話を流すことで自分の印象を良くするって、なかなかブラックな行動です。もちろん、それも手段のひとつと割り切るのもありなのかもしれないですが、事実が彼の耳に入ったときのことを考えたら、怖くなりますよね。というわけで、自分のブラックな恋の欲望がどの程度なのか心理テストでチェック! ブラックにならないための処方箋映画も参考にしてみてください。
【恋愛心理テスト】
Q.あなたは忘年会の幹事を務めています。すると会の最中に、10年ぶりに異性の友達から誘いが。周りを見渡すと、それぞれが盛り上がりこっそり抜けても問題なさそう。さて、どうしますか?
A:断るB:すぐに行く
C:終わってから行く
D:相手を呼ぶ
あなたはどれを選びましたか? さっそく結果を見てみましょう。
深層心理において“忘年会などの幹事”は、物事を取り仕切ることの暗示、すなわち恋愛においていかに周囲をコントロールしたいかを意味します。そして、昔からの“異性の友人”は、あなたが欲しい相手をどう手に入れるかを表しています。そのため、幹事の仕事と相手からの誘いにどう折り合いをつけるかによって、あなたのブラックな恋の欲望がわかるのです。
Aを選んだ方の診断結果
「断る」を選んだあなた……
アラ探しが趣味というブラックさあなたは自分よりも権力を持っていたり、ステータスのある相手を毛嫌いしているようです。そんな相手のアラを探して「あの子なんて全然すごくないし!」と思うことで、自分の価値を高める傾向があるようです。本来はとても繊細で傷つきやすいあなただからこそ、相手をおとしめることで自分を魅力的に魅せているのかもしれません。もう少し自分に自信を持てれば、相手を認めることもできるはずです。
Aを選んだ方の処方箋CINEMA『ベスト・フレンズ・ウェディング』
「アラ探しが趣味というブラックさ」を選んだあなたに処方したいのは、ジュリア・ロバーツ主演の
『ベスト・フレンズ・ウェディング』。主人公のジュリアンには、ずっと想い続けている“親友”がいて「28歳になってもお互いまだひとりだったら結婚しよう」と誓っていました。けれど28歳の年、彼は別の女性と結婚することに……。彼の結婚を阻止しようと奮闘する姿を描いたラブコメディです。結婚相手を演じているのはキャメロン・ディアス。同じ男性を愛した二人が互いを認め合うシーンに“ブラックな恋の欲望”をクリアするヒントがあります。
Bを選んだ方の診断結果
「すぐに行く」を選んだあなた……
友達を憐れむのが活力というブラックさあなたは客観的にはとてもいい人かもしれません。しかし、その心の裏には、相手を可哀想と思うことで、自分のプライドを保っている一面があるようです。「私がいないとダメだね」から「あの子って何もできないんだ」と頭の中で相手の価値を値踏みして、自分が“魅力的な女子”であることを都合よくアピール。自分をよく見せるために、相手の世話を焼くことも。ただ、不自然にならないようにすることが大切です。
Bを選んだ方の処方箋CINEMA『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』
「友達を憐れむのが活力というブラックさ」を選んだあなたに処方したいのは
『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』。美人なのになかなか結婚にたどり着けない3人のヒロインは、自分たちより劣っていると思っていた、おデブな高校時代の同級生の結婚報告にショックを受けつつ、結婚式へ。バカ騒ぎして、花嫁のドレスを破ってしまうなどトラブルが続くなかで彼女たちが見つけたものは……。愛される理由は人それぞれ、くだらないマウンティングは無意味だと教えてくれる痛快コメディです。キルステン・ダンストをはじめキャスティングも絶妙!
Cを選んだ方の診断結果
「終わってから行く」を選んだあなた……
能力のなさを見下すブラックさあなたは周囲の女子に対して、自分より能力がないのだと確認して優越感を得たいタイプ。「自分はあの子よりも優れている」と認識しており、そこからくる余裕を優しさや魅力に変えているようです。本来は皆違っていて、皆それぞれ良いと分かっているはず。しかし、その他大勢に埋もれてしまうのが怖いため、自分が特別な存在なのだという認識を持ち続けたいのかも。ありのままのあなたでも、十分魅力的ですよ。
「能力のなさを見下すブラックさ」を選んだあなたに処方したいのは、ディズニー・アニメーション
『ズートピア』。小柄なだけど正義感の強い警察官のウサギが、詐欺師のキツネを相棒に、ズートピアの街の秘密に迫るファンタジーです。みんな違っていて、それぞれの良さがあると分かっていても、どこかで自分は特別だと思いたいから、何かしら優劣をつけて人を判断してしまう……自分を肯定することって難しいですよね。この映画には「こうあるべき」を崩してくれる力がある。子供向けのように見えて、実は多様性をテーマにした秀作です!
Dを選んだ方の診断結果
「相手を呼ぶ」を選んだあなた……
人の容姿をこき下ろすブラックさあなたは、自分には特別な才能がないかも……と感じているところが。でも、外見には自信を持っている様子。実際オシャレでモテるあなた。友達が恋や仕事で成功しても、「あの子より私のほうが綺麗だし」と容姿をこき下ろし、自分を安心させるようです。美しさが永遠のものではないと分かっているので、特に同性に対する当たりがややキツいかもしれません。美意識が高いのは良いことですが、神経質になるのはNG。
「人の容姿をこき下ろすブラックさ」を選んだあなたに処方したいのは、門脇麦と水原希子が共演する
『あの子は貴族』。外見よりも中身が大事だと気づけたのであれば、自分自身の中身も磨いていきたいですよね。でも、ずっと外見重視で生きてきたとしたら、難しいのかもしれません。そんなときは、女性の連帯を感じる映画が効果的。結婚=幸せだと信じて疑わない箱入り娘の華子、名門大学に合格して上京したものの学費が続かず中退する美紀。異なる環境で生きる2人の女性たちが、1人の男性を通じて出会って生まれる連帯感が何とも力強いのです。
幹事の仕事と相手からの誘いにどう折り合いをつけるかによって分かる「あなたのブラックな恋の欲望」、みなさん結果はいかがでしたか。アラ探しをする、憐れむ、見下す、容姿をこき下ろす、その瞬間は優越感にひたることができても、知らず知らずに虚しさを感じているのではないかと思うのです。結局は、自分を傷つけてしまっている。もちろん、経験してみないと分からないこともありますが、映画で疑似体験できるのであればラッキーですよね。『ベスト・フレンズ・ウェディング』と『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』は、それやっちゃダメでしょ……が描かれていますし、『ズートピア』『あの子は貴族』は、そういう考え方もあるのねという気づきをもらえる。参考にしてみてください。
映画セレクト・紹介文/新谷里映(映画コラムニスト)
心理テスト監修/脇田尚揮(占い・心理テストクリエーター)