大好きだった人と過ごした時間を思い出してせつなかったりさびしかったり。そんな時はつい過去の出来事を後悔して立ち止まってしまうもの。
後悔を解消して前を向きたい時は、「タイムリープ映画」で心を浄化させましょう。
過去に戻ってやり直すたびに都合よく現実が変わっていくストーリーを楽しみながら、「あの瞬間をやり直せたら」という思いが薄らいでいく『カタルシス(心の浄化)』が得られます。
主人公がラストシーンで「一度しかない今を大切に生きる」と決断する姿に、自然と勇気がわいてくる4作品をご紹介します。
1. アバウト・タイム~愛おしい時間について~(2013年・イギリス)
遺伝的にタイムリープ能力を授かった青年ティムが、恋した女性へのアプローチに失敗し、何度も過去に戻ってやり直します。
やがてやり直す必要を感じない幸せな日々が訪れるのですが、そのきっかけになるのは先輩タイムトラベラーである父親からのアドバイス。
『一日を過ごしたら過去に戻ってもう一度同じ一日を繰り返しなさい。緊張や不安で気づかなかった人生の素晴らしさに二回目は気づくから』
どうしたら一日一日を最高に素晴らしいと感じ、やり直す必要を感じなくなっていくのか、ティムの体験によって感じられる映画です。
2. もしも昨日が選べたら(2006年・アメリカ)
主人公マイケルは、家族のために毎日ハードに仕事をこなすよき夫でありよき父親。ですが、家族との時間を大事にできない自分に嫌気がさし「報われない善人でいるのはイヤだ!」と叫んで人生を早送りできる万能リモコンを手に入れます。
ついつい面倒な日常として早送りしたくなる出来事の中に、家族と心を通わすチャンスがあったことに気づくマイケル。彼が一生をかけて後悔してたどりついた結論が、観ている人のワークライフバランスの悩みにカタルシスをもたらします。
コメディチックながら素敵な家族愛が描かれ、大切な人との関わり方にも大きなヒントが得られる作品です。
3. ミッドナイト・イン・パリ(2011年・アメリカ)
「この時代は退屈。もっと昔の、素晴らしい時代に生まれたかった」と言う脚本家ギルは、婚約者と旅行中のパリで深夜0時に現れるクラシックカーに乗り、憧れの1920年代にタイムスリップします。
かのヘミングウェイやダリ、ピカソらとサロンで語り合い「やっぱりこの時代こそ素晴らしい」と感じますが、ピカソの愛人アドリアナが「もっと昔に生まれればよかった」と思っていることを知り、彼女とさらに過去のパリへ。
彼女が憧れる1890年代ではロートレック、ゴーギャンらが「今の時代は空虚で想像力に欠けている。もっと前のルネサンス期に生まれたかった」と語るのを聞き、「どんな素晴らしい時代に生きている人でも、現在って不満なものなんだ」と気づきます。
ないものねだりだと気づいたギルが現代に帰ると、素敵な女性との恋の予感が…
心満たされる恋愛は、誰と、いつ、どこで得られるのだろう?という不安なとき、ギルがたどりつく結末に「そうだよね、欲しかったのはその気持ちだよね」と共感することで安心できるでしょう。
4.アニメ「時をかける少女」(2006年・日本)
「文系にする?理系にする?」が大事な選択だった高校生の頃の話。
主人公の真琴はある日突然タイムリープ能力を手に入れ、寝坊したのをなかったことにしたりテストをやり直していい点数を取ったりします。
しかし、何度でもやり直せるということはイヤなことを避けられる一方で後悔につながる出来事が起こったり、中にはどうしても避けられないことがあることに気づきます。
タイムリープを経験することで「後悔しない今を生きる」と決めたことがわかるラストシーンでは、叶うことのない約束の言葉がとても印象的に響きます。
以上、せつない後悔をスッキリさせるタイムリープ映画4作品をご紹介しました。
主人公に対して「素晴らしい恋をしたね」と共感したり、「あの時はそうするしかなかったよね」と肯定してあげることは、自分自身への共感と肯定になり、心の中に残っていた後悔を洗い流してくれます。
そんなカタルシス効果を利用して、心の整理をしてみませんか?