クリスマスまであと1ヵ月! 今年は誰とどんなふうに過ごそうか、どんなプレゼントを贈ろうか、クリスマス当日はもちろん、それまでの準備にも心躍ります。
また、この時季になると何処へ行ってもクリスマスらしい音楽が聞こえてきます。そのなかでも定番中の定番、世界共通の王道クリスマス曲と言えば──
チャイコフスキーが音楽を手がけたバレエ『くるみ割り人形』の名曲の数々……を思い浮かべる人も多いのではないのでしょうか。
その『くるみ割り人形』を、この冬は実写映画として見ることができます!
語り継がれる不朽の名作を実写映画化
『くるみ割り人形』はもともと童話でした。1816年にE.T.A.ホフマンが『くるみ割り人形とねずみの王様』という童話を発表。その後、文豪アレクサンドル・デュマによってフランス語訳され、絵本や児童文学などさまざまな形で世界へ広がりました。
2010年にはエル・ファニング主演で実写映画化されていますし(日本劇場未公開)、日本にもサンリオが制作した人形アニメーション映画(1979年/2014年版はデジタルリマスター再編集版)などがあります。
そして、満を持してディズニーが実写映画に挑みました。
科学や機械に詳しい変わり者ヒロイン
200年以上語り継がれている『くるみ割り人形』の物語を、ディズニーはどんな物語として描くのか?
原作の童話をベースに、主人公クララが真実を探すために別世界を冒険する物語になっています。
クララはこんなヒロイン。
・姉ルイーズと弟フリッツの3人姉弟の真ん中、14歳
・ドレスを選んだり着飾ったりするお洒落にはあまり興味がない
・好きなことは科学の実験や機械を分解したり組み立てたりすること
・よき理解者だった母が亡くなり悲しみから抜け出せずにいる
・女性は女性らしくという時代の風潮に戸惑いを感じている
クララが迷い込む4つの美しい王国
そんなクララが、亡き母からのクリスマスの贈り物──鍵のかかった“卵型の入れ物”の秘密を探すため〈秘密の王国〉に向かいます。
そこには独創的で美しい4つの王国があり、クララは4人の統治者と出会います。
・雪と氷がクリスタルのように輝く〈雪の国〉
・色とりどりの花と緑で覆われた〈花の国〉
・キャンディやマシュマロでできた〈お菓子の国〉
・荒れ果て誰も知らない〈第4の国〉
クララが迷い込むように、本当にこんな世界があるのかもしれない……リアルと想像の境界線を消してくれるような、そんな圧倒的な世界感に感動します。
大人の女性にも響くファンタジー
ファンタジックな旅をさせてくれる世界感、そこに存在するキャラクターたちの衣裳の素晴らしさはもちろん見どころですが、一見、子供向けに捉えられがちであるこの作品に興味を持ったのは、監督のひとりがラッセ・ハルストレムであることも理由でした。
『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』
『ギルバート・グレイプ』
『サイダーハウス・ルール』
『ショコラ』
『僕のワンダフル・ライフ』
など、数多くの感動作を送り出しているラッセ・ハルストレム監督がファンタジーを撮るとどんな映画に仕上がるのか──、そんな興味もあったのです。
近年のディズニー映画は『美女と野獣』『シンデレラ』など、王子様を待つヒロインではなく、自分で運命を切り開いていく逞しさを合わせ持った美しいヒロインが登場しています。
今回のクララもそのひとり。そこには大人の女性にも響くメッセージが込められていました。
『くるみ割り人形と秘密の王国』は、童話を読んだことがある人にも、実はちゃんと読んだり見たりしたことがなかったという人にもオススメできる、クリスマスにぴったりな映画です。
『くるみ割り人形と秘密の王国』
11月30日(金)公開
監督 ラッセ・ハルストレム、ジョー・ジョンストン
出演 キーラ・ナイトレイ、マッケンジー・フォイ、ヘレン・ミレン、モーガン・フリーマン ほか
公式サイト Disney.jp/kurumiwari
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