働く女性のストレス解消法はいろいろある。
飲食で発散、買い物で発散、体を動かして発散、旅など環境を変えることで発散……どれも必要であり、うまく組合せることでバランスを取っている。
ただ最近思うのは、それだけでは足りなくて、アラサー、アラフォーになるほど、プラス“ときめき”が必要なのではないかということだ。
もちろん、職場に素敵な同僚がいるとか、憧れのスターに想いを寄せるとか、そういったことでもいいのだけれど、現実を深く知ってしまった大人の女性にとっては、できれば現実から(リアルな人間から)少し離れるくらいがちょうどいい。
というわけで、最近は心のデトックスとして少女漫画を読む時間が増えた。
今、連載している漫画でもいいし、自分が純粋だった頃に読んだ漫画を読み返すのもひとつだ。懐かしさと同時に、初恋の記憶がよみがえったり、ものすごくピュアなときめきを感じる。
私が読み返したのは『ときめきトゥナイト』(第一部)だ。
ヒロインの江藤蘭世は、人間界で生まれ育った魔界の女の子で、吸血鬼の父と狼女の母を持ち、彼女自身も変身能力を持っている。
そんな蘭世が好きになるのが不良少年の真壁俊で、実は魔界の王子だった……という設定。魔界とか人間界とか非現実的なところが、ほどよい逃避をさせてくれる。
漫画でもドラマでも映画でも、いまや恋愛ものに壁ドンなどの女性が萌える恋愛のシチュエーションを取り入れるのは当たり前。
その火付け役は実写映画化にもなった『L♥DK』の壁ドンだと言われているが、実は『ときめきトゥナイト』の時代にすでに壁ドンは描かれていた。
しかも、腕をグッと引き寄せて、口封じのキス、壁ドンの三・段・階!(興味が湧いた人は、10巻をチェック)私のなかでの元祖壁ドンは、真壁俊で決まりだ。
という具合に、すっかり乙女心を取り戻しリフレッシュしている。
10代よりも20代、20代よりも30代……恋愛における条件、相手に求めるものは増えていくものだが、蘭世のような少女漫画のヒロインはとにかく一途。
この人のことが好き、ただ好き、それを貫いている姿が何とも美しく、格好良く見える。
パートナーへの気持ちに陰りが見えたら、少女漫画で純粋さをチャージしてみるのもいい。(text:Rie Shintani)