二十歳そこそこの頃に憧れていた大人の女性像は、仕事をバリバリこなす格好良さはもちろんですが、立ち居振る舞いがステキな女性=品のある女性だったように思います。なので、当時は“女とはこうあるべき”的なマナー本をあれこれ読んでいました。
そういったマナーは一度学んでしまえば習慣になりますが、美輪明宏さんの『花言葉』という本を読んだときに内面の品について知り、外側だけではダメなんだとハッとさせられました。三十代半ばの頃です。本には次のようにありました。
もう、ただただ納得です。この『花言葉』という本は、こんな感じで短い言葉が書かれています。
・自分を輝かせるための言葉
・つらい時のための言葉
・自分を磨くための言葉
・美しく生きるための言葉
・人と上手につきあうための言葉
どの項目の言葉も響くものばかり。気づきがほしいな、という時のお助け本です。
四十代になった今、心がけているのは、些細なことに対しても「ありがとう」を言えるようにとか、笑顔でいるようにとか、本当にごくごく当たり前のことです。
当たり前のこと、簡単なことですが、“常に”を意識するとけっこう難しい。たとえば、誰かと一緒にいるときは自然と笑顔になれますが、ひとりで電車に乗っているとき、歩いているときはどうでしょうか。笑顔とまでいかなくても、ムスッとしない、しかめっ面をしない、常に柔らかい表情でいるって、案外大変なんですよね。
二十代と四十代で、大きく変わったのは人との付き合い方です。二十代の頃は、イベントやパーティーに参加すると、最後までいないと損! この後に楽しいことがあるかもしれない! と思うとなかなか帰れなくて、結局、二次会、三次会……朝までなんてこともありました。
今は、腹六分での付き合いを心がけています。これも美輪さんの『花言葉』にあった教えがきっかけです。
この言葉を知ったとき、「親しき仲にも礼儀あり」というのは分かるけれど、何だか遠慮しているみたいだなぁと思いましたし、これは言い過ぎかな? 参加すべきかな? 腹六分の程度がどのくらいなのか戸惑うこともあります。でも、そうやって腹六分を意識して、行動する前に立ち止まって考えることに意味がある。それが色気の正体である上品な優しさにも繫がると思うのです。
内面から滲み出る色気を手にするには、“上品な優しさ”と“腹六分の付き合い方”! まだまだ日々精進です(笑)。