charmmy TOPライフスタイル「淑女であれ、そして自立せよ」スーパーウーマンRBGの教えがスゴい!

「淑女であれ、そして自立せよ」スーパーウーマンRBGの教えがスゴい!

ここ数年、男女平等や性差別を題材にした映画が目に留まります。例えば『未来を花束にして』『ドリーム』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』など。今回ピックアップした『RBG 最強の85才』もそのひとつ。86歳にして現役の女性最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ(通称RBG)に迫ったドキュメンタリーです。

RBGとはどんな女性なのか?

RBGことルース・ベイダー・ギンズバーグがどんな人物なのか知るきっかけとなったのは、少し前に公開された映画『ビリーブ 未来への大逆転』。フェリシティ・ジョーンズ演じるルースが、男女平等の一歩となる裁判に挑む姿を目にしたことでした。

ほんの50年前、女性は仕事を選ぶことができず、自分の名前でクレジットカードを作ることも許されない、女だから……という性差別がまかり通っていた。そこに意義を唱え、法の下の平等の実現に向かっていったのがルースです。


解決作はRBGの生き方の中にある!

本作『RBG 最強の85才』では現在のルースの活躍と、約50年間にわたって彼女が戦ってきた裁判の記録が映し出されます。

ドキュメンタリーの多くは、どんなに素晴らしい題材でも途中でうとうとしてしまうものですが、この作品は98分間、集中力が途切れることはありませんでした。なぜか──

「現在の女性が法律で守られているのは、70年代のルースの功績の恩恵」と語られる、そのスーパーウーマンの人生には、壁にぶつかったとき、迷ったときのヒントになる教えがたくさん詰まっているからです。


全てバイブルにしたい!RBGの言葉

戦う女性というと、男勝りで恐いイメージがあるかもしれないですが、このドキュメンタリーを観て驚いたのは、ルースの淑やかさ、冷静さ、チャーミングさ、そして誰よりも努力を積み重ねてきた人であることでした。そんな彼女が発する言葉はどれも心に響くものばかり。

「淑女であれ、そして自立せよ」

「怒るのは時間の無駄」

「真の変化とは一歩ずつもたらされていくもの」

「同僚の男性判事は、性差別の存在を知らない。幼稚園の先生になったつもりで説き続けていく必要がある」

この言葉が発せられたエピソードが、映画で詳しく描かれています。


1人1人が説き続けていく必要がある

共働きが当たり前になった現代において、保育園や幼稚園の待機児童問題、男女それぞれの育休問題、働き方改革、さまざまな問題が山積み……。その解決方法もルースの考え方にヒントがあると思うのです。

表面上の政策ではなく、男女平等とはどういうことなのかを真剣に考えないと、何をやってもダメ。変えていくためには、先に挙げたルースの言葉にもあるように「説き続けていく必要がある」。女性が声を上げていかなければならないのです。


声を上げることは簡単なことではないですが、一番小さなチームである家族から始めてみようと思える──。そういう意味でもルースの家族はお手本です。

というのも、夫であるマーティンも弁護士なのですが「マーティンとの出会いは人生で一番の幸運です」と語っているように、彼の考え方も素晴らしくて。ルースの娘がこう語っていました。「私が育った家庭では義務を平等に負担しています。父は料理担当で、母は考えるのが仕事です」と。

学ぶことだらけのドキュメンタリー、バイブルになりました!

『RBG 最強の85才』
5月10日(金)公開
監督・製作 ジュリー・コーエン、ベッツィ・ウエスト
出演 ルース・ベイダー・ギンズバーグ、ビル・クリントン、バラク・オバマ ほか
公式サイト http://www.finefilms.co.jp/rbg
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新谷里映
映画ライター、コラムニスト
雑誌編集者を経て現在はフリーの映画ライター、コラムニスト。雑誌・ウェブ・TV・ラジオ、各メディアで映画の紹介をするほか、コラムの執筆、映画のオフィシャルライター、トークイベントのMCなど幅広く活躍。