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大人のハラスメント講座『第一回:パワー系ハラスメント』

少しいきすぎた行為をしただけでハラスメントと言われる時代。被害者だけじゃなく、いつ加害者になるかという危機感を持つことも大切です。そこで巷のハラスメントを定義、シチュエーション、カウンセラーによるアドバイスと編集部考案の対抗ハラスメントをご紹介。目には目を、ハラスメントには一癖ハラスメントを!

上から目線で押さえつけ!
パワー系ハラスメントの実態

第一回目は、上司がやらかしやすいパワー系のハラスメント。“上司だから”ではすまされない、心を押さえつける数々のハラスメントは許されるものではありません! でもこれ、必ずしも上司から部下に対するものだけではないんです。

例えば、PCに不慣れな上司に対して部下が罵倒した場合もパワハラに該当……なんてことも。自分が加害者、被害者にならないためにも、パワハラの実態をしっかり学習しましょう!

【授業1】
パワーハラスメント(パワハラ)
パワハラとは、職場での優位性、立場を利用した嫌がらせ。精神的・肉体的な攻撃によって、相手に苦痛を与える行為。

やりがちシチュエーション
指導に熱が入るあまり、業務に関係のないことを暴言として吐くことがあります。はじめはまともなことを言っていたのに、最終的には「こんなことも分からないなら女の扱いなんて分からないだろう。モテなさそうな顔してるしな」というように、業務と関係のないことをツラツラ並べる始末。言った本人は気にも留めていませんが、言われたほうは腹が立ちながらも笑顔で受け流さなくてはいけないストレスで、精神的にも限界に。

パワハラにあってしまったら…
カウンセラーによるアドバイス
パワハラを受けた場合、大切になってくることは「相談」と「記録」。まずは同僚や知人に相談しましょう。具体的な解決策がもらえるかどうかよりも、誰かに話すことにより一人で抱え込まないようにすることが最優先。周囲への相談に加え、メモや日記に記して後々「言った言わない」で揉めないようにすることも大事です(カウンセラー:乾紫響さん)。

効果があるかも!?パワハラの対抗策
“褒められ待ちハラスメント”

何かしらの成果を出して、それを猛烈アピール。相手がイラッとするどや顔で「自分やりましたけど」感を出し、褒めてくれるまでその場を動かない。ときにはメールでも要求し、独り言でもポツリ。いつしか上司は、手を出してはいけない“ヤベー奴”として認識し、パワハラどころかあなたに話しかけること自体なくなるかもしれません。※編集部が考えた対抗策ゆえ、効果は未定。

【授業2】
終われハラスメント(オワハラ)
オワハラとは、自社の内定を出すことを引き換えとして、他社の内定辞退や就活を終わらせようとする行為。

やりがちシチュエーション
内定辞退者が多かったり、どうしても欲しい人材だと、「他社への就職活動を終わらせてくれたら、内定が決まるのだけど……どうだろう?」と自分の会社に決めるようにプレッシャーをかける事例も……。他にも、毎日面接の日程を入れるなどして就職活動を妨害。自社への想いが強いのは結構ですが、それとこれとは話は別。他社への内定を辞退するように無理強いした場合“脅迫罪”として罪に問われるケースもあります。

オワハラにあってしまったら…
カウンセラーによるアドバイス
オワハラに対しては、焦らずに対応することがとても重要に。企業があなたを評価していることは確かなので、会社側からの要求を過剰にのむ必要はありません。「今この場で!」と言われたとしても、「少しでも迷いのある状態で返事をすることは失礼だと思いますので、お時間をください」と伝え、気持ちを整理する時間を作りましょう(カウンセラー:乾紫響さん)。

効果があるかも!?オワハラの対抗策
“事前婿(嫁)探しハラスメント”

内定を決定する代わりに、会社の有望株を事前に婿(嫁)候補として探してお手つきする権利を主張。何なら、何人か見繕ってマッチングさせてもらいましょう。就活と恋活を同時に終わらせることができる合理的な方法なので、親と同伴で参戦もアリ。企業は内定をチラつかせた手前何も言えないが、会社の将来に暗雲がたちこめていることを悟るはず。※編集部の勝手な意見のため、実行はご自身の判断で。

【授業3】
メシハラスメント(メシハラ)
メシハラとは、お腹がいっぱいにもかかわらず無理やり食べさせる行為。バスや新幹線などの密室空間でニオイの強いものを食べるのも該当。

やりがちシチュエーション
食事の席で「若いんだからいっぱい食べろ!」と強引に食べさせようとしたり、「栄養つけないといい仕事できないぞ~」などと、無理やり仕事と絡めて食べさせる上司いますよね。ゴリゴリの縦社会で育った人たちはよかれと思ってやっているのでしょうが、それは“強要”という名の拷問です。若い世代でやりがちなのは、密室空間での無遠慮な食事。そこそこ混んでいる電車で揚げたてのポテトをほおばる……、それはもうニオイテロですから!

メシハラにあってしまったら…
カウンセラーによるアドバイス
メシハラをしてくる上司や先輩には、まずは「そんなに食べられない」という意思表示をしっかりしておきましょう。また、少し大げさでも良いので量を食べたことで体調を崩した過去の経験を話したり、実際にメシハラを受けた次の日、胃腸の違和感を訴え休んでみることで、会社側の対応を見るのも一つの手です(カウンセラー:乾紫響さん)。

効果があるかも!?メシハラの対抗策
“おかんタッパーハラスメント”

たくさん食べさせようとする上司の攻撃を、自前のタッパーにどんどん詰め込んで華麗に回避。なんならおかんも一緒に参戦しタッパーに詰めましょう。おかんは喜ぶし、家計は大助かり。会社の経費とわかれば追加オーダーをして、翌日のお弁当に詰めるのもアリです。店からは白い目で見られるし、おかん大はしゃぎなカオスな状態に上司は耐えられなくなりますよ。※編集部の個人的感想のため、どんな結末が待ち構えているかわかりません。

【授業4】
新型パワーハラスメント(新型パワハラ)
新型パワハラとは、やる気のある部下に対してやる気をなくすような言葉を吐き、やる気自体をそぐ行為。

やりがちシチュエーション
仕事に意欲を見せる社員に対して「そんなに頑張ってどうする。やったって何も変わらないだろう」「残業したって無駄。さっさと帰れ」など、社員のやる気に応えない上司。極めつけは、「どうせやったって給料変わらないんだから…」と嘆き節。部下に言ってるようで、自分に言い聞かせているのです。会社への不満を部下にぶつけても何も改善されない、とりあえず言わずにはいられない小心者の叫びは、負のスパイラルしか生みません。

新型パワハラにあってしまったら…
カウンセラーによるアドバイス
新型パワハラには「相談」を要します。『必要とされていないのでは?』という不安を周囲に話し、第三者から本人へ伝えてもらい態度の変化を求めてみてください。それでも過小要求が続くようなら、一度「今よりも成長して、もっと会社に貢献したいので、よろしくお願いします。」と直接伝えてみてください(カウンセラー:乾紫響さん)。

効果があるかも!?新型パワハラの対抗策
“つまらないものですがハラスメント”

上司からやる気をそぐ言葉が出た途端、待ってました!といわんばかりに、仕事の資料を風呂敷に丁寧にまとめてお戻し。日本の伝統行事“お中元”“お歳暮”での常套句『つまらないものですが』とともに、「俺がやるなんて100年早いですよね」という言葉を添えれば、上司もむげに断れないはず。最後に笑顔で「御免くださいませ」を付け加えれば大人の対応としても完璧!※何度も言ってますが編集部の創作なので、責任は持ちません。

【授業5】
セカンドハラスメント(セカハラ)
セカハラとは、ハラスメントを訴えたのに相手にされなかったり、逆に責めたてられて嫌がらせを受ける二次的被害。

やりがちシチュエーション
勇気を振り絞って告発したにもかかわらず、会社からの圧力に負けて援護していた人たちは波がひくかのごとくだんまりに。最終的には「お前が悪かったのでは?」「はっきり断らないのは受けいれたってことだよね」などと、追い討ちをかける言葉を投げつけます。そして立場が上の人たちは、大事にならないようにどうにか丸め込めないかと画策。言いことが言えないこんな会社は…ポイズンですよ。

セカハラにあってしまったら…
カウンセラーによるアドバイス
セカハラにあった場合、思い切って社外の機関に相談してみてください。放っておけば社内での居場所がますますなくなるので、早めの相談を心掛けて。また証拠として残すのはもちろんのこと、社外機関への相談の際の状況説明にも使えるので、セカハラを受けた日時や状況を「記録」として残しておくようにしましょう(カウンセラー:乾紫響さん)。

効果があるかも!?新型パワハラの対抗策
“どMプレイハラスメント”

辛らつな言葉を投げつけられてツライと思いきや…、顔を紅潮させて言葉責めよろしくとどMプレイを楽しんでみましょう。本来なら心を突き刺す言葉の嵐が、快感のシャワーに♡「もっと頂戴、もっと頂戴…」と迫るあなたに、恐れをなして怯む上司が見えます。ちなみに、傍観者たちがたむろする空間は、放置プレイに最適。なんぴとたりとも、性癖を汚すことはできないのです。※もうさ…編集部の妄想だから…むしろ読んでくれてありがとう。


まとめホームルーム
第一回、大人のハラスメント講座は『パワー系ハラスメント』についてお送りしました。知ってるハラスメントも知らなかったハラスメントもあったかもしれませんが、世にはびこる悪しきものであることには変わりありません。

子どもの頃に学んだ、『人が嫌がることはしない』という教えを守れない大人が、立派であるはずがないのです。

ゆえに、今回の教訓

【人のハラスメント見て我が身を正せ】

この言葉を肝に銘じて、ハラスメント一派に加入しないように気をつけましょう! 



【協力してくれたカウンセラー】
福井県で心理カウンセラーとして活動しながら、カウンセリング心理学の講師、アートセラピスト、LINE上での相談など幅広く活躍。専門分野は恋人との関係、人間関係、感情コントロールなど。


イラスト:波打ベロ子
charmmy編集部
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