もともと人懐っこい我が家のダックスフント。お客さんが来れば一番に飛びつき、うれションをかけ、撫でてくれと言わんばかりに仰向けにゴロンとします。そんな性格だからこそ、初めて娘に会わせたその瞬間まで
きっと赤ちゃんを見たらたちまち父性本能が湧き出るんだ!暑いときはうちわを咥えて扇いでくれたり、寒いときはそっと毛布を掛けてくれるに違いない!
と本気で思っていたのです(だってほら、テレビやネットでそんな動画よく見るんだもの)。だけど今回の件で、わたしの頭の中は完全にお花畑だったんだと痛感させられましたね。
これまで蝶よ花よと育ててきたダックスフントに、ある日突然
さぁ、今日から赤ちゃんをかわいがりましょう!抱っこもボール遊びも我慢できるよね? だって君は犬で、あちらは赤ちゃんなんだから
…って、当然そうなりますよね。これまで当たり前だった生活がなんの前触れもなく変わってしまったら、犬だって混乱するはずなんです。それに彼は去勢もしてますし、そもそも赤ちゃんってなに? レベルの話から始めるべきだったのかもしれません。
いくら部屋を引き離しても、ことあるごとに威嚇し続けるダックスフントに取り付く島もなかったわたしは、“もういっそ娘の全部を見せて、赤ちゃんの生態についてみっちり叩き込んでやろう”と思い立ちました。
お腹が空いたり、おむつが濡れて泣き出したらチャンス! すぐさま泣いている娘の姿を見せ、この音は赤ちゃんの泣き声であること、怖いことでも危険なことでもないんだということを教えました。
するとどうでしょう。音の出所が分かって安心したのか、泣いている娘を確認するとダックスフントはもうそれ以上吠えなくなったのです!
そして、娘のおっぱいを吸う姿から代えたおむつの中身まで、全部まるっと見せ続けること3日間。ダックスフントは自分なりに“赤ちゃんの生態”を理解したようです。娘が笑っていようが泣いていようがお構いなしに、ベビーベッドの下ですやすやと眠るようになっていったのでした。