カルテ64:付き合う人の条件は 顔が良くてお金があって
優しくて価値観が同じで…
とにかく色々あるけど
本当に望んでいるものが何か
最近分からなくなっています。
恋愛で大事なものって何?
恋をして、その恋が実って、順調に恋が育っていたとしても、その相手に対してほんのわずかな不安や疑問が生まれてしまうと、なぜ自分はその人を選んだのか、理由が欲しくなるものです。本能的に選んだ人であっても、自分自身が納得できる具体的な理由がほしくなる。やがて、そうやって生まれた不安や疑問が、自分の求める「条件」というカタチになっていくのではないか、と思うのです。
今回の相談は「自分が何を望んでいるのか分からなくなってしまった」というお悩み。まずは、占い・心理テストクリエーター脇田尚揮先生の心理テストでチェック! 処方箋映画は、女流作家の人生を描いた映画をピックアップしています。
A:看護師B:CA
C:お嫁さん
D:女社長
あなたはどれを選びましたか? さっそく結果を見てみましょう。
この心理テストで分かること
「あなたが恋愛で望むもの」
深層心理において、“子ども時代”は心から願うことを暗示し、状況が変わっても不変なもの、手放したくないものを意味しています。そして、何になりたいかは、あなたが人生で志向するものを暗示しています。そのため、子供時代に何になりたいかによって、あなたが恋愛で望むものが分かるのです。
「看護師」を選んだあなた……
生きがいや目標が欲しいあなたは、責任と信用を欠かさないタイプ。さまざまな経験を積んだ結果、耐える心が生まれたり、義理を通さなくてはという使命感が生じます。あなたはまさにそうして我慢してきた結果、恋において大切なものは「生きがい」や「目標」だと感じているのかも。そんなあなたには、あなたを頼ってくれる異性がやってくるでしょう。しかし、ふと心に感じる寂しさのサインにも気づいてみてください。時には愛情も必要なのかもしれません。
「生きがいや目標が欲しい」あなたに処方したいのは、レニー・ゼルウィガー主演の
『ミス・ポター』。ピーターラビットを生んだ作家ビアトリクス・ポターの半生を綴った映画です。女性が仕事を持つことが珍しかった時代に、彼女はどうやってあの愛らしいピーターラビットのキャラクターや物語を生み出したのか。また、理解ある編集者ノーマン(ユアン・マクレガー)との美しくも切ない恋愛など、時代は違えど女性に響くテーマがたくさん詰まっています。なによりもノーマンがビアトリクスに向ける愛情が素敵すぎ!
「CA」を選んだあなた……
安心感や余裕が欲しいあなたは、波風を立てない平和主義者タイプ。どんなにがむしゃらに頑張っても平和でなければ疲れるだけ、愛する人ができても穏やかでないと苦しいと、ある意味達観した境地に行き着いているようです。確かに「平穏」や「安心感」という基盤の上にしか、愛の幸せは成立しないのかもしれません。でも、痛みがあったり、つらいからこそ人生はドラマチックに彩られていくもの。傷つくことを恐れずにチャレンジしてみることも時には必要です。
「安心感や余裕が欲しい」あなたに処方したいのは、ムーミン誕生の舞台裏を描いた
『TOVE/トーベ』です。画家としてキャリアをスタートさせたフィンランドのトーベ・ヤンソンは、とても魅力的です。第二次世界大戦を経験し、保守的な美術界にとらわれず自由に生きることを選び、恋愛においても情熱的でした。なかでも舞台演出家ヴィヴィカとの出会いがトーベを大きく変えていきます。「傷つくことを恐れずチャレンジも時には必要」な人にとって、トーベの人生も彼女が生み出したムーミンの世界も、きっと道しるべになってくれるはず。
「お嫁さん」を選んだあなた……
愛情や優しさが欲しいあなたは、優しさのない世界では生きていけないタイプ。周囲の人からとても優しくされてきたのかもしれません。あるいは生まれつきデリケートなのかも。いずれにせよ、人の痛みに敏感なので、人にも優しくありたいというのがあなたのスタイル。その慈しみの心ゆえ、恋愛にも「愛情」や「優しさ」を欲しているはず。しかし、善意に感謝しつつも、悪意を見抜く眼も持つことも必要。あなたの平和を守るには、経済力も必要なのです。
「愛情や優しさが欲しい」あなたに処方したいのは、エル・ファニング主演の
『メアリーの総て』。多くのクリエイターに影響を与え続けているゴシック小説の金字塔「フランケンシュタイン」誕生の物語です。フランケンシュタインが、当時18歳だったメアリー・シェリーによって生み出されたことにまず驚きますが、なぜ生み出されたのか──その背景には、我が子の死、破産、愛する人の裏切り……波乱に満ちた出来事がありました。哀しみを力に変えていくメアリーの強さ、そこに秘められた優しさに感動します。
「女社長」を選んだあなた……
ステータスが欲しいあなたは、つながりの中で自分の存在意義を見つけるタイプ。人は人によってしか成長できません。きっとあなたは、そのことをよく理解しているのでしょう。あなたにとって、恋人と関わることは自分らしさであり、尊厳なのかもしれません。だからあなたは恋に「ステータス」や「権力」を求めるのかも。だけど、どこかで人は1人。自分の信じる道や信念もまた、必要なのです。そしてあなたにとっては、目標も大切な要素なのです。
Dを選んだ方の処方箋CINEMA『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』
「ステータスが欲しい」あなたに処方したいのは『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』。メグ、ジョー、ベス、エイミー、マーチ家の四姉妹の人生を綴った、ルイーザ・メイ・オルコットの自叙伝的小説「若草物語」の実写映画化です。小説家になりたい次女のジョーを中心に、姉妹それぞれの生き方、考え方、幸せの在り方が描かれます。「女は愛されるのが一番の幸せだなって言っているのを聞くとムカムカするの」これはジョーのセリフですが、存在意義を見つけるタイプの人は特にジョーに共感するのではないでしょうか。
子供時代になりたかったものによって分かる「あなたが恋愛で望むもの」、みなさん結果はいかがでしたか。
本当に望んでいるものが分からなくなるというのは、出口が見えなくて困った状況にも捉えられますが、実は、迷うことによって自分を見つめ直すいいチャンスでもある、そんな考え方もできますよね。好きになった人の肩書き、年齢、容姿、年収……いろんなものを外していったとき、それでも好きだと思えることが本物だと、以前読んだ本に書いてありました。その通りだなって。今回の心理テストの結果やメッセージもそれに通じると思います。そして、ピックアップした映画はどれも、女性の主張が難しかった時代に女性の生き方を問いかけ切り開いてきた作家たちの物語です。「こんなにも素敵な先輩たちがいる!」「私も頑張らなくちゃ!」って勇気があふれてくる、そんな力強い4本です。
心理テスト監修
占い・心理テストクリエーター/脇田尚揮