ひと昔前の女性の結婚適齢期は20代後半で、周りの友達も同僚もその年齢に差しかかるとみんなバタバタと結婚した。
そして彼女らに刺激をうけた崖っぷち組が、30代に入ると少し遅れて結婚したが、それ以降はパタリと結婚式に呼ばれる機会は減っていった。
適齢期に結婚した女性たちは、仕事を続けながら出産をして子育てもするスーパーウーマンだ。
では、その波に乗れなかった、いや乗らなかった女性たちはというと──キャリアのステップアップを選んだ、という女性がとても多い。
ものすごく仕事ができて、しかも美人で、なんでこの人は独身なんだろうと思う女性と話しをしていると、30歳目前に独立をしたとか、転職をしたとか、環境を変えているパターンが多いのだ。
結婚を選んだ人も、仕事を選んだ人も、どちらにとってもやはり30歳前後は決断の年齢だったということだろう。
20年前の映画に『ベスト・フレンズ・ウェディング』がある。ジュリア・ロバーツの演じるジュリアンは28歳、まさに結婚適齢期だ(現在は当てはまらないかもしれないが……)。
彼女の仕事は料理評論家で、20代を仕事に費やしてきたのがひと目でわかる。
マイケルという親友がいて、彼とは学生時代に少し付き合った後、親友として過ごしてきた。
そのマイケルが結婚すると連絡が入る。相手は20歳の女子大生だ。ちなみに、その女子大生のキンバリーを演じているのはキャメロン・ディアス。
何とも初々しいキャメロンを見ることができる。
話を戻すと──ジュリアンとマイケルは親友の間柄だが、お互いに28歳までに独身だったら結婚しようと話していた。
でも、マイケルはキンバリーと出会い、すぐに結婚を決めてしまう。28歳の年に。
ジュリアンは、ものすごく大切なものを失ってしまったことに気づき、何とか彼の結婚を阻止し、彼の気持ちを取り戻そうとする。
久々にこの映画を見て思ったのは、自分の選択を受け入れるということだ。
どうしてあの時、彼との人生を選ばなかったのだろう、どうして好きなのに手放してしまったのだろう──って、だって自分が選んだことなのだから……。
ジュリアンの悪あがきは決して無駄ではなく、前へ進むために必要だった。過去の恋愛に縛られている人には突き刺さる物語だ。
生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことが無い人の割合)が年々上昇し、2017年の発表では男性23.6%、女性14.1%、40歳を越えると結婚は絶望的のように言われている。
数字を見る限りでは不安になる。でも、独身女性の本心としては余計なお世話だ。結婚するしないを含めて、どんな人生を送るのかは人それぞれなのだから。(text:Rie Shintani)