小倉たまこは、望まぬ形でパチンコ関係のデザイン事務所『P-DESIGN(株)』に入社することに。
会社に居場所を見いだせず辞めるつもりでいた彼女だったが、上司・堂本の優しさに触れ、もう少し頑張ることにする。
そんなある日、たまこはパチンコ屋ので研修を受けることになり…。
恋愛経験なし。自信もなければ色気もなし。
そんなたまこは、さりげなく見守ってくれる上司の堂本に、初めての恋心を抱く。
「私はいつも
無意識で
不戦敗希望」
(2巻 count.7)
堂本に彼女がいることを知り、ショックを受けつつもどこかでホッとしたり。
堂本の中に1ミリも自分が存在していなかったことに傷ついたり。
自分の気持ちに戸惑うばかりのたまこを、いつも笑い飛ばして元気づけてくれるのは宮下。
そんな宮下の第一印象は最悪で。
たまこがイヤイヤ行ったパチンコ店の研修で出逢った2人。
初めは無神経な物言いの宮下に嫌悪感を抱いていたが、徐々にその優しさに気づいていき…
「いつも
してもらってるように
私もしてあげたい
なんでだろ…
初めて会った時
大っ嫌いって思ったのに…」
(3巻 count.17)
ダメなところも弱いところも見せ合うことができる。
誰よりも、一緒にいて楽しい。
たまこにとって、宮下はそんな存在になっていくのです。
そんな、ちょっとづつ近づいていく2人が、可愛くてたまらない…!
「知らなかった
逃げるより
向かっていく方が
怖くないんだんな」
(4巻 count.24)
憧れの人と、自分らしくいれる人。
いつも何か理由をつけて、傷つかないようにしていた「たまこ」が、誰に向かって走り出すのか―。
今回のコラムテーマを見たら一目瞭然ですが(笑)、是非読んで確かめていただきたい!
そして、周りのキャラもみんな魅力的なのです。
みんな人間的で、汚い気持ちも生々しく描かれていて。
「でも
そういうの
ちょっと…
ザマーミロとか
思っちゃう」
(2巻 count.7)
「”ムリヤリ
家に押しかける”とか
”泣く”とか
手持ちのカードは
そんなのばっか」
(2巻 count.10)
「自分だけ傷つき顔で残酷だよ」
(4巻 count.24)
すれ違いを、今までの仕返しのように思う、堂本の彼女・真野。
押し付けるばかりの愛情表現しかできない、宮下の同僚・アキホ。
自分が傷つくことばかり恐れるたまこの、身勝手さを指摘する先輩・ももこ。
その汚さや愚かさは、どれも知っている感情で。
ざくざくと胸に刺さるのです…!
そんな登場人物たちをもっと楽しみたい方は、
シリーズ前作『午前3時の無法地帯』
シリーズ番外編『午前3時の不協和音』
もおすすめですよ!
祥伝社
ねむようこ『午前3時の危険地帯』
全4巻