「全部君のためだから」。これが半年つき合った6歳年上のモラハラ男の口ぐせでした。出会った当初は本当に優しくて、王子様みたいに尽くしてくれる人って感じだったんです。
でも、つきあって時間が経つうちに恩着せがましさを感じるようになったんです。対外的には「彼女のためなら喜んで」とカッコつけるくせに、私には“してやってる感”全開。もちろんその都度お礼は言うし、私も彼に尽くそうと努力していました。でも、何をしてもけなされるんです。好みや希望を聞いても「察しろ」って感じだし。おまけに彼にとっての“普通”の枠からハズれると、もれなくバカにされるんです。「常識を知らないんだね」って。
プライドと選民思考の高さも激ヤバでした。会話でも人の悪口を言っては「俺のほうがスゴイだろ?」って自分アゲにつなげるような内容が増えていったし。そこで褒めたり同調したりしないと今度は「価値観がズレている」とバカにされるわけです。
普通に考えたらムカつきますよね。なのに「君のため」と言われると反論できなくなるというか……。「ダメな自分が悪いんだ」って思うようになっていたんです。ある意味一種の洗脳ですよね。でも友達を悪く言われるのはさすがに許せなかった。そこでようやく目が覚めたって感じです。モラ男を見抜くって本当に難しい!! ひとまずお姫様扱いしすぎるヤツと、自称・毒舌キャラは警戒したほうがいいなと深く深く学びました!
モラハラ系って本人にモラハラの自覚がないから厄介なんですよね。あくまで善意のつもりで接してくるから相手に尽くす「君のため」⇒「俺のため」という支配モードへ変化していく過程に気づきにくいんです。本性を見抜くには、自分ではなく赤の他人への態度を観察するといいかもしれません。利害関係のない他人への振る舞いには、その人自身の素が表れます。素の彼と過ごす自分を想像し、少しでも「自分がされたら嫌だな」という態度や行動が目についたら危険信号。しばし距離を置いて様子を見ることをオススメします。