会社ではパフォーマンスが第一。仕事に一生懸命取り組んでいるのにうまくいかないとき、人はどんどん悪い方向へ考えてしまいます。「また周りの人に迷惑をかけた」「使えないダメ人間だと思われているかも」と悩みだしたら最後、仕事への自信が失われ、作業を任されることに恐怖が芽生えることも…。
今回はそんな「仕事ができない」と一人で悩んでいるあなたに、「仕事ができる人」になるためのコツを伝授。さらに周りの印象を好転させる方法について、キャリアコンサルタントのHiromi先生がアドバイスします!
1.【診断テスト】「仕事できない度」チェック
「また失敗した…」とメソメソしているそこのあなた。仕事をすることに不安を感じているなら、まず、心の専門家のアドバイス付き「仕事できない度」をチェックしてみましょう。
次の10個の質問の中から、当てはまるものを選んでください。当てはまった数で、レベルを判定します。
①仕事にやりがいを感じている
②仕事の指示に対してはメモを取るようにしている
③人の話をいつもしっかり聞くようにしている
④業務をおこなう時、一度自分で考えるようにしている
⑤ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を小まめにするよう心掛けている
⑥一日の仕事を振り返るクセをつけている
⑦失敗に対して、何がいけなかったのか考える
⑧人に伝えるときは、結論から先に言うようにしている
⑨面倒な作業を後回しにしない
⑩業務に対して、当事者意識を持っている
それでは、あなたの「仕事できない度」を確認しましょう。
■0~2個「かなり危険」
周りから「仕事ができない人」だと、思われているかもしれません。
「①仕事にやりがいを感じている」にチェックが入っていない人は、今の仕事が世の中の誰に、どんな風に求められているのかを再認識してみて。
「①仕事にやりがいを感じている」にチェックが入っている人は、まずは周りで仕事ができる人をよく観察し、やり方をマネしてみましょう! やり方が分からないなら、勇気を出して聞いてみることが仕事ができるようになる第一歩です。
このまま放って置くと、いずれは「仕事ができない人」になる恐れがあります。
自分にとって嫌な作業を後回しにしちゃっていませんか? 仕事の優先順位を見極めましょう。時間内に、そして期限までにやり終われるようスケジュールをしっかりと組む必要があります。難しいと判断した場合は、それを素直に伝えることが大切ですよ。
一般的な「仕事のできる人」のようです。さらに上の「仕事ができる人」を目指すためにも、先輩や上司からのフィードバックをもらいましょう。
パフォーマンス向上のために、「自分ではこう考えて作業を進めようと思っています。〇〇さん(依頼や指示を出した人)の考えとすり合わせたいので、意見をいただけますか?」というように、アクションを起こしてみてくださいね。
誰もが認める「仕事ができる人」ですね。次のステップに進むために、ぜひ周りで「仕事ができていない人」のサポートをしてみてください。きっとあなたのマネジメント力の成長に繋がるはずです。
一人でこなせるキャパには限界があります。チームで仕事をして最高の成果を出すためにも、あなた自身の指導力をアップさせましょう。
【診断チェック制作/キャリアコンサルタント Hiromi先生】
2. 仕事ができない人の特徴と理由
そもそも「仕事ができない人」とは、どのような人のことを指すのでしょうか? ここでは、典型的な特徴について説明します。当てはまるものがあったら、意識して改善するようにしましょう。それでは、一つずつ確認していきます。
[1] スケジュール管理ができない
人と比べて優先順位の把握が苦手。本来なら、仕事は作業にかかる時間や重要度によって、スケジュールを調整しながら進めるものです。でも、仕事ができない人は、重要な仕事を後回しにして十分な時間を取れなくなるなど、リスクの高い流れにはまりがち。その結果、焦ってミスや失敗を繰り返すといった悪循環に陥ってしまうのです。
仕事に対する責任感に欠ける傾向があります。仕事は、同僚などと連携して取り組むことが多いもの。だからこそ、自分に与えられた役割を果たす必要があるのです。しかし、仕事ができない人は、「自分ができなくても誰かがやってくれるだろう」「手を抜いても結果に影響しない」などと考えてしまいます。プロジェクトがうまく進まなくても、当の本人が危機感を持っていないことが多いのです。
[3] ホウレンソウができない
「報連相」が不得意です。仕事は、途中経過を上司に“報”告したり、取引先へ“連”絡したり、困ったときは先輩に“相”談したりしながら進めるのが基本。これらを小まめにすることで、ミスや失敗を最小限に食い止めることができます。けれども、仕事のできない人は状況について自己判断しがち。報告するタイミングを逃して、ミスが手遅れになったり…。結果として周囲に多大な迷惑をかけてしまうことがあります。
[4] 上司や職場にストレスを感じている
外部要因の悪影響を受けることもあります。ありがちなのが、上司が話を聞いてくれない、残業を強いてくるなど、劣悪な職場環境からくる強いストレス。仕事をするのがつらい、逃げたいという思いから集中力が落ち、パフォーマンスに響くのです。この状態が続くと、最悪の場合「うつ」になってしまう可能性も。がんじがらめになってしまう前に、周りに相談したり、一度、専門家に診てもらうことをおすすめします。
3. 仕事ができる人になるための方法
仕事ができるようになるには、どうすれば良いのでしょうか? 引き続き Hiromi先生が、キャリアコンサルタントの視点から改善方法を説明します。
[1] できる人の思考や行動をマネしてみる
まず、あなたの周りで仕事ができる人を探してみてください。そして、その人の仕事への取り組み方を観察してマネするのです。段取りや進め方の特徴が分かれば、自分が直すべき点も見えてくるはず。参考になる特徴をどんどん取り入れて、自分のものにしていきましょう。
[2] 仕事の優先順位と納期(ゴール)を確認する
仕事を進める上で、重要なのは業務を整理すること。作業のルーティン表(チェックリスト)を作り、タスク管理をしっかりとできるようにします。仕事の優先順位や納期を常に把握していれば、今やるべき作業が明確になります。
[3] メモでなくノートを使う
記録を取るときは、ノートを使うようにしてみましょう。メモだと失くしてしまったり、知りたい内容を探すのに時間がかかってしまいがち。付箋やカラーペンを使って、後で見て分かりやすいものを作ります。ノートをうまく活用することで頭も整理されていきます。
最初は、身に付いた習慣を変えるのは難しいかもしれません。まず、実践できそうなことから始めてみましょう。継続することで、仕事ができる人にどんどん近づけるはずですよ。
4. 周りからの印象を好転させる方法
改善方法を知っても、身に付いた習慣を変えて急に仕事ができるようになるのは難しく、時間を要するものです。でも、あなたの印象をアップさせることはすぐにでも可能。Hiromi先生が、仕事で迷惑をかけてしまったときの謝罪方法や、周りに好印象を与えるコツを教えます。
[1] 職場の人と良好な関係を保つ
心理学用語で「認知バイアス」という言葉があります。意味は、物事の判断が様々な要因でゆがめられること。人は機械ではないですから、公平な判断をしようとしても、主観や固定観念などに影響されることが多いのです。そのため、常日頃からの良好な関係を築いておくことで、認知バイアスがいい意味で働き、仕事の失敗などに対しても周りが協力的になってくれやすくなります。
[2] 謝罪するときには結論から
「怒られたくない」「自分を守りたい」といった防衛本能が働くと、責任を自分以外にもっていきたくなります。でもそうすると、相手はもっと反感を覚えるもの。よって、謝罪するときは、まず「申し訳ございません」「出来ていませんでした」という結論から始めること。それで相手が「どうしてこんなことになったのか?」と質問してきたら、初めてそこで理由を伝えましょう。言い訳のように聞こえにくくなります。
5. 仕事ができないとき、実は人生のチャンス
「仕事ができない」というとネガティブな面ばかり思い浮かびますが、ポジティブな面もあります。物事がスムーズに進んでいるときは、客観的に考えたり、自分を見つめ直す機会がないことも。その結果、チャンスを見逃してしまっているかもしれません。仕事ができなくて立ち止まることを、人生の大きなチャンスととらえてみてください。ここでは、そのポイントを紹介します。
[1] 自分に合う仕事を見つけるチャンス
仕事ができないといっても、全てのことができないわけではありませんよね。例えば、経理など数字を使う作業は苦手だけど、企画を考えるのは得意だという人もいます。今の仕事で悩んでいる人も、その仕事内容が向いていないだけかもしれません。それが本当に自分に合っている仕事なのかを今一度、考えてみましょう。じっくりと自己分析することによって、あなたの得意分野に気づけるチャンスも大いに広がります。
[2] 仕事以外で強みを作るきっかけ
仕事はできるに越したことはありませんが、作業を完璧にこなすだけでは、不十分なこともあります。会社は生産性が大事ですが、人間関係も重要です。例えば、態度が悪い人は、普段から仕事を頼みにくいもの。逆に仕事ができなくても礼儀正しい人は、周りからの協力や応援を得やすくなります。ミスや失敗をしても、上司や同僚が教えてくれたり、フォローしてくれたりすることも多いのです。仕事以外の強みを持つことで、あなたを必要としてくれる人が現れるようになるでしょう。
[3] 自分自身を見つめる機会
仕事ができずに悩んでいて、それを家族や友人などに相談する人もいるでしょう。話を聞いてもらえば、気持ちの整理はつくかもしれません。でも、身近な人の場合、どうしても主観的なアドバイスになったり、本音を伝えきれないことも。その結果、実用的な解決法を見いだせない場合も多いのです。その点では、キャリアについて専門家に相談するのもおすすめ。専門的な立場から、あなたの話に客観的に耳を傾け、適切な解決法や提案を示してくれます。自分を見つめ、あなた自身をもっと良く知る絶好の機会にもなるのです。
6. まとめ
仕事は真剣勝負で取り組むもの。だからこそ、落ち込んだり悩んだりすることがあるのは当然です。今、あなたが悩みの真っただ中にいたとしても、突破口は必ずあります。誰にでも得意、不得意はあるのです。
「何をやってもどうせダメだ」と自暴自棄になることなく、冷静に自分を見つめてみましょう。改善できるきっかけはどんどん活用して、「仕事ができるあなた」になれる日まで、前を向いて進んでいってくださいね。
【協力してくれた専門家】
Hiromi先生キャリアコンサルタント。専門分野は、仕事・キャリア。LINE上でのカウンセリングで全国から悩み相談が寄せられている。