「母乳の原料はママの血液」と知ったとき、思わず、歯茎を痛めたときに味わうあの鉄臭い味が口の中に広がりました。さすがに血の味はしませんが、ママの血液から作られているだけあり栄養は満点! 生後1ヵ月から母乳育児に切り替えた娘も、今のところ風邪をひくことなく、健康に育っています。
しかし、これは小さく産まれた娘に対して「まずは栄養を確実に摂らせるために、ミルク育児を中心に考えてみましょう!」と言った助産師さんの指導のお陰でもあると思います。確かに母乳は赤ちゃんの発育に良い影響をもたらしてくれるそうですが、それは「しっかり出てこそ」「しっかり飲めてこそ」。
少し前の世間では「母乳だけで赤ちゃんを育てるのが理想」という風潮がありました。現に私も妊娠期間中から「ミルク育児は愛情不足」などといった「母乳神話」なるものを耳にしたことがあります。
しかし、母乳の出る量はママがコントロールできるものではありません。それに十分に母乳が出ていたとしても、赤ちゃんが上手におっぱいをくわえられず飲めない…、といった場合も。赤ちゃんに十分な栄養を届けてあげるママの行動こそが、一番の愛情ではないかと私は思うのです。
産まれたばかりの娘は、目が開いているのか閉じているのか、はたまた起きているのか寝ているのか分からない程、毎日ただただボンヤリとしていました。
「そんなに暇ならおっぱいでも吸ったらどう?」と、娘の口に無理矢理おっぱいをねじ込んでみたこともありますが、特に反応なし(笑) 吸うわけでも嫌がるわけでもなく、「はぁ…、この後あたしはどうしたら?」と力ない表情を浮かべるだけ。
こんな娘でも、粉ミルクのお陰で1日に必要な栄養はばっちり確保されているから安心です。焦らずゆっくり、まずはおっぱいをくわえる練習から始めることにしました。
私の周りには、最初から完全母乳育児、完全ミルク育児、混合育児と決めているママが多かったです。その決断理由もさまざま。「赤ちゃんが哺乳瓶を嫌がるから仕方なく…」という完母ママもいれば、「上の子に配慮して昼間はミルク、上の子が眠った夜だけ母乳」という混合ママもいました。
私より1ヵ月先に出産した妹は、産後の体調と相談して完全ミルク育児をしています。そんなことから、よく母乳育児VSミルク育児の苦労合戦を繰り広げていました。
私「母乳は粉ミルクと比べて腹持ちが悪いから、特に夜の授乳が大変! 授乳回数もミルク育児の頃と比べて倍になったし、お陰で乳首がカモノハシのしっぽみたいに平らになったよ!」
妹「夜中のミルク、眠すぎて哺乳瓶の蓋をちゃんと閉めてなかったみたいで、娘もソファーもびちょびちょになっちゃったことが何回もあるよ! あの時の娘のびっくりした顔は今でも忘れられない…」
私「外出先で授乳したいときに限って、なかなか授乳室が空いてない。授乳ケープは便利だけど、使う場所を選ぶし…。やったー! 空いてる! と思って先におむつ代えてると、いつのまにか満室になってる!」
妹「外出のときは、粉ミルクを作るための熱湯と、熱湯を薄める水を水筒に入れて持ち歩くんだけど、リュックの中で何回もこぼしちゃって…。お陰で母子手帳が滲んじゃった!」
もはや、妹ってただのおっちょこちょいなだけでは…?という説は置いといて(笑)、勝敗はいつも引き分け!
母乳育児だろうがミルク育児だろうが、子育てが大変なことには変わりないのでした。