生後半年頃の赤ちゃんが人見知りをし始めるのは、「親しい人」と「そうじゃない人」の区別がついてくるからだと聞いたことがあります。
「知らない人の顔を見ると大泣きするからもう大変! 外出するだけでヘトヘトだよ…。」
そんな愚痴を先輩ママから聞くたびに
「でもそれってママのことを特別な存在だと認識してくれてるわけだから、ちょっと嬉しくない?」なんて、あの頃はまだそんなふうに思っていました。
結局、目立って人見知りをしなかった娘。日頃から多くの人と接する機会があったことも理由のひとつだったと思います。
だからこそパパ見知りが始まった当時の夫は、完全に打ちひしがれてしまっていました。
だって「うちの子は人見知りをしなくて社交的だ~!」なんて高を括っていたパパ自身が、娘の唯一の人見知り対象者になってしまったんですから…。
わたしの周りにはパパ見知りに悩むママ友が一人もいませんでした。どうやらパパ見知りは必ず現れるわけでもないらしく、むしろ先輩ママの妹は「寝かしつけも夜泣きも、パパじゃないとダメな時期があった」なんて言う始末。
赤ちゃんの個性はそれぞれと理解していたつもりでしたが、ここまで違うとは驚きでした。
たまの育児はもちろん、ひとつ屋根の下に暮らすことさえ拒絶されるようになった夫。どうして娘がこんなにもパパを断固拒否するのか考えてみたところ、思い当たる原因がひとつありました。
そう、神経質なわたしが大雑把な夫に育児を任せきれなかったことです。
夫にご飯を食べさせてもらうのも、お風呂にいれてもらうのも、全てわたしの監視のもと。そもそも夫と娘が二人きりになること自体、それまで一度もありませんでした。
そんなふうにわたしが夫を信頼していなければ、当然娘も「大丈夫か、このオヤジ…」と思ってしまうわけで(笑)
それからというもの、娘に「このオヤジは大丈夫!」と思ってもらえるよう頑張りました。娘の前で夫を褒めちぎり、二人だけの時間を少しずつ増やすよう心がけたのです。
わたしの厳しい監視がなくなったことで、これまで以上に育児に積極的になった夫。その気持ちが娘に届いたのか、だんだんとパパ見知りも治っていったのでした。