charmmy TOPライフスタイル3時のヒロイン福田の女の生態録「美人は性格がいい説」

3時のヒロイン福田の女の生態録「美人は性格がいい説」

「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝し、名実ともに国民のヒロインとなった『3時のヒロイン』。普段はネタ作りを担当し、ゆめっち、かなでをツッコむ福田麻貴が、女という生き物に対してツッコミを入れる、女の生態コラム。
 顔。かお。FACE。顔は人間の看板。トップページ。ひとたびそのデザインで生まれてしまえば一生付き合っていかなければいけないのが顔だ。自分で選んで生まれたわけではないのに悪口を言われるのも顔だ。

巷ではいまだに「美人は性格が悪い」という説を聞く。これを真っ向から否定したいと思う。

ぶさいくは遠巻きに夢を見る

 幼い頃、母が私を連れて商店街を歩くと、よく知人と出くわし、「あら、娘さん?」「せやねん。ぶっさいくやろ~。」「ぶっさいくやな~!」「はははは!!」という笑いが毎回、天気の会話のごとく行われていた。私自身も特に傷ついたりすることなく、そういう文化で育てられた。これを私は「ブスの英才教育」と呼んでいる。

しかし幼稚園に通ううち、どうやら「ぶさいく=おもろい」ではないようだ…ということに気づく。自分と、美人な子では、なんだか扱いが違う…。先生の扱いも違えば友達の扱いも違う。

人気の若い女の先生の周りで楽しそうに遊んでいるのはいつもかわいい子で、私はそれを遠巻きに見ながら近づけないし、友達と「はないちもんめ」を何度しても、高確率で私が結構最後まで残る。そして私は気付いてしまう。「顔やん」と…。

「美人は性格が悪い」は本当か?

 せっかくブスの英才教育を受けた私は、幼稚園や学校の、あまりにもストレートで残酷で無意識な顔面評価システムによって、微かにひねくれていったように思う。美人な友達への劣等感やコンプレックスをひそかに抱えながら、なんとか「この顔で叩き出せるMAX」を目指し、外見と内面を磨いた。

そんな私のひそかな努力をよそに、美人な友達は健やかに明るくモテた。そしてみーんないい子だった。

おまけに高校時代に出会った友達が、美人で勉強もスポーツもできて人懐っこくて思いやりがあって今まで出会った誰よりも優しい女の子だったことによって、それまでなんとか報われる材料になりそうだった「美人は性格悪い説」は完全に打ち砕かれたのだった。

美人の持つ強みに妬むが負け

 それもそのはずなのだ。美人に生まれた子はブスが持つ「嫉妬・羨望・劣等感」などの卑屈な一つの大きな鉛を持たずに育つことができるのだから。ピュアに純粋にまっすぐに育つパスポートを持って生まれているのだから。

卑屈に育って自分の曲がったフィルターでしかものを見られない一部のブスが「美人は性格悪い」などという説を広めてしまう。悲しいかな、性格が悪いのは後者の方なのだ。石原さとみ性格悪そうとツイートしてる人も多分ブスだ。

ブスに生まれてしまったが最後、もう報われることはないのだから早々にあきらめて人と比較せず他人の顔に執着せずに自分を生きよう。

笑いとコンプレックス

 余談になるが昨今お笑い界でも「容姿いじりのタブー」が取り沙汰されているが、私は、この世界に入って顔のコンプレックスがなくなった。顔のいびつなパーツや配置が、イジられることで笑いに昇華されて長所に変わり、「この顔でいい」と思えるようになったし、どんな顔であれそれが自分の個性と思えるようになったのだ。

今は自分の顔が好きだし、他人のどんな顔も好きだ。顔はパーソナリティーであり、芸術なのだと思う。私は人生のひとつの課題を消化したのだ。

だから女芸人の顔をいじる男性芸人さん達を悪く言わないでほしい。高度な技術で私たちを幸せにしてくれているのだ(ただそれが嬉しいのはお笑い芸人だけで視聴者は別だろうし、いじりと悪口は違ったり、議題はたくさんだがそれはまた別のお話。最後はプーさん風に閉めてみました) 。

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福田 麻貴(3時のヒロイン)
お笑い芸人
2016年結成の女性トリオ「3時のヒロイン」のツッコミでありネタ作り担当。「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝。現在CX「ウケメン」や様々なテレビ番組で活躍中