「陰キャ」「陽キャ」なんて言葉をよく耳にするようになりましたが、「あの子はああいう人、わたしとは別のグループの人」「あの子はこういう人、わたしと似たグループの人」というカテゴリー分けのようなことは、学生時代に特に顕著にみられましたよね。誰に規定されたわけでもないのに、はっきり口にしたことはないのに、そのカテゴリーへの意識はみんなが共通認識として持っていることも、少なくはありませんでした。
だからこそ、そういう目に見えないしがらみにとらわれず、自分の意志で親しくする相手を選べる人は貴重で、なんともいえない魅力を備えていたように思います。そして「自分の意志で親しくする相手を選べる人」がそれほど多くないことは、学生ではなくなってからの方が、よく身にしみるのですよね……。たとえもう会えなくても、どんな大人になったのかわからなくても、あの日屈託なく接してくれたあの子の優しさは、ずっとここにあります。次回も「あの日のまんが」をお楽しみに。