「今回も里帰り出産をお願いしたいんですけど…」
お腹の赤ちゃんの予定日が確定したとき、地元のクリニックに分娩予約のための電話を掛けました。
上の子の出産のときにお世話になってから、いつか機会があればまたここで出産しようと決めていたのです。
しかし、私の住んでいる東京はその当時、新型コロナウイルスの感染者数が突出して多かったため、県をまたぐ移動なんてもっての外。
「東京から里帰りしたい」と伝えるのに、とても申し訳ない気持ちになったことを覚えています。
幸い、クリニックは里帰り出産を快く受け入れてくださいましたが
・地元に戻って2週間の自宅待機後、熱がなければ初診を受け付ける・「里帰り前の説明会」や「パパママ学級」などは全て中止
・立ち会いや入院中の面会は夫1人のみ可
・大部屋の場合はロビーでのみ面会可
・母子の体調によって入院日数が選べる(最短4日)
など、コロナウイルス感染対策の条件が付け足されていました。
2週間の自宅待機を終えたクリニック初診の日、私は先生に「計画出産」を希望している旨を伝えました。
もし妊娠中にコロナに感染したら…と思うと不安と焦りで頭がいっぱいになり、とにかくすぐにでも出産してしまいたかったのです。
しかし「コロナが心配だからって無理やりお腹から出すのは赤ちゃんが可哀想だから、38週以降の赤ちゃんの成長具合を診て分娩日を決めましょう」と言われ、あえなく撃沈。
しぶしぶ納得したものの、やはり持ち前の心配性から健診の度に「赤ちゃん、そろそろ産まれたがってませんか?」としつこく確認していました(笑)
39週0日の早朝、計画出産をするため夫とふたりでクリニックへ向かいました。
前日からなんとなくお腹が痛いような気はしていましたが、診察してみたらすでに子宮口が5センチ開いていて、着替えたり荷物の整理をしているとあっという間に7センチになっていました。
結局、陣痛らしい陣痛を感じないまま分娩台へ。
私があまりにもケロッとしていることもあってか、そのまま助産師さんがたったひとりで赤ちゃんを取り上げてくださいました。
上の子の出産中は「赤ちゃんもうすぐ出てくるよー!」「頭が見えてきたよー!」などたくさん声を掛けてもらったけど、今回は最小限の会話のみ。
しかも助産師さんはマスクをしているので、なんて言ってるのかさっぱり聞こえず、意思疎通を図るのがとても難しかったです。
本来であれば産後1週間入院するところ、最短の4日で退院することになりました。
入院期間が短くなっても沐浴指導や母乳指導などは必ず受けるため毎日バタバタ忙しく、そんなことからも経産婦の私は初ママさんたちに対して遠慮がちになっていたと思います。
しかし、先生や助産師さんは私が困っているとすぐに声を掛けてくれ、個別でおっぱいマッサージや母乳指導をやってくれたりと、常に親身になって寄り添ってくださいました。
コロナ禍での妊娠出産ということで不安に思うこともたくさんありましたが、先生や助産師さんたちの対応で疎かに感じたことはひとつもありませんでした。
なのでこれから出産を控えたママさんも、必要以上に心配したりひとりで耐えたりせず、困ったことや不安に思うことはどんどん先生や助産師さんに伝えていって欲しいと思います。