“好き”だけでは乗り越えられない!
恋愛ハラスメントの実態
第6弾は、恋人間で起こるハラスメント。好き同士で付き合ったのだから、ある程度は許されるでしょ……なんて悠長なことを言っているあなた! いやいや、もはや嫌われるレベルのハラスメントを日常でかまして、捨てられる寸前かもしれないのです……。
早く結婚したいがために、見えるところにわざとらしく置く結婚情報誌と「最近友達がどんどん結婚してぇ」という重めな結婚アピールをする彼女。自分好みのエアコン設定をして恋人の不快感に我関せずの薄情な彼氏。好きだから許されるなんて思い込みは、あの人風に言うならマーボーローシィィィー。好きだからこそ、自分本位な考えを押し付けず、相手のことを思いやった行動をとることが大切。恋人がいる人も、相手を探している人も、恋人間に起こりうるハラスメントを知って、相手を気遣える関係を築いていきましょう。
【授業1】
ヌードルハラスメント(ヌーハラ)
ヌードルハラスメント(ヌーハラ) ヌーハラとは、麺類を食べる際にすすって音をたて、相手を不快にさせてしまう行為。
やりがちシチュエーション
お目当ての麺を目の前に、いそいそと割り箸を割って勢いよくズズズ。独自のリズムで吸い込むその音は、まるで三三七拍子。俺の奏でる音を聞けとばかりに大きなズズズが店内に響き渡り、来店客の会話が音でかき消される始末。麺をすするのは日本古来から伝わる文化でもあり、一概にダメというわけではありません。自分の肺活量をフルに使い汁が飛び散らんばかりに吸い込む、バキュームズズズにムシズが走るのです。
ヌーハラにあってしまったら…
カウンセラーによる対策
麺やスープをすする音が不快に感じる方は意外といます。『自分だけかも』と思わず素直に打ち明けてみましょう。この時、相手の食べ方を注意するのではなく、「どうしても気になる」のようにあくまでも自分の気持ちを話すようにしましょう。また外食する際ヌーハラが起こりにくいようなお店を選ぶことで事前に回避するのも一つの手です(カウンセラー:乾紫響さん)。
効果があるかも!?ヌーハラの対抗策
“エンドレス麺ハラスメント”
バキュームズズズをお見舞いしてくる彼氏には、お手製のお蕎麦を食べさせてみてください。ただのお蕎麦ではありません。自らがえっちらおっちら練って、彼用にお蕎麦の長さを調整した世界でたった一つのお蕎麦です。その長さは優に5mを超えるほど。彼はいつものようにすすってみたものの、終わりのない麺の滑り込みに息が続かなくなり酸欠状態に。※編集部考案の対抗策です。お蕎麦だけでなくうどんやラーメンでもチャレンジできます。
【授業2】
ゼクシィハラスメント(ゼクハラ)
ゼクシィハラスメント(ゼクハラ)
ゼクハラとは、結婚願望のある女性が、彼氏に対して結婚のプレッシャーを与える行為。結婚情報誌ゼクシィを置いてプレッシャーを与えるところから作られた造語。
やりがちシチュエーション
周りがどんどん結婚することに焦って、彼の家にこっそり結婚情報誌を仕込む彼女。何気ない日常を装ってはいるけど、本をチラチラ。見てといわんばかりのアピールを彼はガン無視するも、友達が結婚しただの親がうるさいんだぁなどと追アピール。脅迫めいた結婚アピールに嫌気がさして“別の道を歩むのもありかも……”と思った矢先に、彼女の名前が記入された婚姻届けが……。もはやホラーでしかありません。
ゼクハラにあってしまったら…
カウンセラーによる対策
ゼクハラは『いつになるのか?』という漠然とした不安から、行為がエスカレートしやすくなる傾向があります。その為結婚の意思がある場合には抽象的な表現はなるべく避け、“貯金がいくら貯まったら”や“1つ役職が上がったら”など具体策を提示し、不安を解消させてあげた上で、信じて待っていてほしいという気持ちを伝えることが大切です(カウンセラー:乾紫響さん)。
効果があるかも!?テクハラの対抗策
“トリセツハラスメント”
結婚を猛アピールする彼女に対して突き付けるは、己のトリセツ。結婚の意思はあります、この条件さえ飲んでくれたらと今度は自分がアピール。書かれた内容は、それはそれは「クセがすごいんじゃぁ~」と言いたくなるほどの習慣がずらり。幸せなはずの結婚生活が、我慢を強いられる地獄と化すのではと恐れて、彼女はアピールどころか一緒に居続けることも考え直すはず。※編集部考案の対抗策です。ドン引きされるくらいの習慣を100個は用意しましょう。
【授業3】
エアコンハラスメント(エアハラ)
エアコンハラスメント(エアハラ)
エアハラとは、エアコンの設定温度を個人の都合で変えてしまう迷惑行為。猛暑の日にエアコンの使用を禁止したり、寒がる人の意見を無視するなども該当。
やりがちシチュエーション
手足の冷えが気になる彼女は設定温度を平均値にしたいと主張するも、「俺体温高いから熱いんだよ~、下げるわ」と勝手に1~2度下げてしまう彼氏。手足の冷えだけでなく体と心が冷えていく彼女。夏は夏で「いや~暑かったわ~」とまさかの18度設定で、家の中も心も凍り付かせる始末。腹いせに氷のような手で彼を触るも、「気持ちいい~もっとやって~」とおねだりしてきて、もはや正気の沙汰ではなりません。
エアハラにあってしまったら…
カウンセラーによる対策
まずは服装や飲み物など自身でできる体温調節を行いましょう。これは相手へのアピールにもなりますので、その様子を見て設定温度を変えてくれることもあります。また温度による体調の崩れがあることや快適に感じる温度の範囲を伝えると、相手は無意識にその範囲で温度を設定しやすくなるのでオススメです(カウンセラー:乾紫響さん)。
効果があるかも!?エアハラの対抗策
“大型犬で暖どりハラスメント”
自分好みの温度に設定をする彼氏に睡眠タイムを邪魔されたら、待機させていた大型犬を部屋に入れましょう。犬たちはしっぽをフリフリしながらベッドに飛び乗り、もふもふの体毛とぽかぽかの体温、そして癒しを存分に提供。暖かさと可愛さに包まれて上質な睡眠がとれる上、自分勝手な彼のスペースを占領できるので一石二鳥です。※編集部考案の対抗策です。しっかり役目を務めてくれた犬たちには、とびきり美味しいおやつをあげてください。
【授業4】
パーソナルハラスメント(パーハラ)
パーソナルハラスメント(パーハラ) パーハラとは、外見や趣味嗜好など個人的な部分に対して、文句をつけたり嫌がらせをする行為。男女間だけでなく会社内、大人や子供といった幅広い世代で起こりうるハラスメント。
やりがちシチュエーション
美人と言われることはあっても、あくまで雰囲気美人。本人はそれを重々分かってるし、特に困ることもなし。なのに、付き合ってる彼が「お前って中の下だよな~」と何様発言。(いやいやいや、お前こそ下の下やぞ……)と思いながらも、良心がとがめて言葉を飲み込む彼女。言われたい放題の彼女はストレスが溜まりに溜まって爆発寸前。これを言われて喜ぶのは、言葉攻めが大好物などMだけだと理解していただきたい……。
パーハラにあってしまったら…
カウンセラーによる対策
パーハラは“関係性の慣れ”が原因であることが多いです。『関係を壊したくない』という思いから、ごまかしたり我慢したりしても関係は改善されないため、ハッキリと「傷つくから言わないでほしい」と伝えることが大切です。本音を伝えることは自分への思いやりを再び持ってもらえ、“関係性の慣れ”を解消することに繋がります(カウンセラー:乾紫響さん)。
効果があるかも!?パーハラの対抗策
“お前も大概やぞハラスメント”
上から発言してくる彼氏にイラっとしたら、ボールを集めると願いが叶うという国民的マンガに出てくるようなスカウターを装着しましょう。すると、彼の今現在の顔面偏差値が恐ろしい速さでマイナス街道まっしぐら。耐えきれずボンッと破裂したスカウターとともに「お前も大概やぞ」と言い放てば、自分のレベルが分かり二度と言わなくなるはず!※編集部考案の対抗策です。まずはこれを作れる博士と会えるように数字が描かれたボールを7つ集めましょう。
【授業5】
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ) ジェンハラとは、男らしさや女らしさを押し付ける行為。性別により社会的役割に制限をかけることも該当。
やりがちシチュエーション
女性は男性を立ててこそ一人前。男性は女性を養い、料理なんて言語道断……。時代錯誤も甚だしい偏見のオンパレード。こういう発言をする人は、仕事場では女性だからお茶くみをするのが当然、男性は飲むことも仕事の一環と自分論を語ります。「今の時代は~」と反論しようものなら、昭和の頑固おやじ偏屈おばさんのお説強の始まりはじまり。男性だから女性だからと言う前に、人としてどうなんだとご自分を見つめなおしてほしいものです。
ジェンハラにあってしまったら…
カウンセラーによる対策
大事なことは性別よりも“自分らしさ”です。恋人のジェンハラ的発言を鵜呑みにはせず、自分の気持ちに正直でいましょう。また「○○(彼氏の名前)って、優しいきれい好きだね!」のように、こちらから相手の性別通りではない良さを褒めてあげるのも効果的です。この時「男なのに、」などの余計な枕言葉にはくれぐれも要注意です(カウンセラー:乾紫響さん)。
効果があるかも!?ジェンハラの対抗策
“架空の生き物ハラスメント”
彼氏が女らしさを強要してきたら、ラバー製でできた河童の衣装を身につけましょう。まるで本物の河童と見まごうクオリティに、二度見三度見する彼氏。突然の妖怪登場に頭がパニックになる彼を横目に「女性っていうか、人間じゃないから」とオプションのきゅうりとともにぽつり。彼は自分の発言で妖怪化させてしまったことを後悔し、ちゃんちゃんこを着た片目の妖怪ボーイを呼びたくなるはず。※編集部考案の対抗策です。小豆洗いのコスプレも可です。
まとめホームルーム
今回の大人のハラスメント講座は『恋人へのハラスメント』についてお送りしました。付き合ってるから許される、言っても大丈夫と思っているのはあくまで自分だけ。相手の気持ちを無視する大迷惑な行為なのです。
好きな子に意地悪しちゃうアオハル全開の胸キュン行為とは違い、心を痛める行為だと己に言い聞かせ、今後の付き合い方を見直してみてください。
ゆえに、今回の教訓
【故意のない濃い~恋よ来い】
この言葉を教訓にして、相手のことを思いやれる濃い~関係を築いて、ハラスメントとは無縁の幸せを手にしましょう!
【協力してくれたカウンセラー】
福井県で心理カウンセラーとして活動しながら、カウンセリング心理学の講師、アートセラピスト、LINE上での相談など幅広く活躍。専門分野は恋人との関係、人間関係、感情コントロールなど。
イラスト:波打ベロ子