私の周りにはイケメン芸人さんがたくさんいます。関西にいる頃からお世話になっている先輩のコマンダンテの石井さんは、まさにイケメン芸人で、身長も180センチありスタイルも抜群、私服もオシャレ。芸人だと知らなければメンズファッション誌のモデルかな?と思うくらいにカッコイイです。
趣味はカフェ巡りで自宅でも珈琲豆を挽いたり、オリジナルブレンドの珈琲をプロデュースしたり趣味もカッコイイ。石井さん曰く「ずっとモテた人生」らしいです。だからなのか、あまり感情を表に出すタイプではなくクールイケメン。もちろん漫才もとても面白くて、尊敬している先輩芸人の一人です。
私は10年以上、石井さんと仲良くさせてもらっています。でも今まで一度も石井さんの事を男性として意識した事がありません。恋愛対象として見たことがないんです。もちろん芸人の先輩だから、ということもあるけれど、でもそういった事を取っ払って考えてみても「石井さんが彼氏とかないわぁ~」と思います。
こんなにもイケメンで女性人気もある石井さんに、何で私は男としての魅力を感じないんだろう、とずっと考えていました。
すると最近、石井さんが私に恋愛相談をしてきました。人生で初めて失恋をしたらしく、「ずっとヘコんでる」「どうしたらいいかわからん」「俺、一生結婚出来へんかも」と私に言ってきたんです。こんな弱々しい表情や発言をする石井さんを見るのは初めてでした。
でもそんな悩んでる石井さんを見て私は「今の石井さん、素敵だな」と思いました。少し語弊があるかもしれないけど、以前の「ずっとモテてカッコイイ石井さん」より「フラれてヘコむ石井さん」の方が、ずっと魅力的でカッコイイなと思ったんです。
そのとき、私はこれまで恋愛において順風満帆でクールな石井さんに男性としての奥行きや人間らしさを感じなくて、こんなにイケメンなのに魅かれなかったんだ!と気づいたんです。多分、石井さんにとったら私に見せているこの姿は「カッコ悪い自分」なんだと思います。でも私にとっては、好きな人のことで一生懸命に悩む素敵な姿。
自分が思う自分の魅力と他人が思う自分の魅力って違うのかもしれない。特に恋愛となると好きな人に「自分が思う自分の良いところ」だけを見せたいと思ってしまいます。可愛くメイク盛れてる自分だけ見て欲しいから好きな人の前ですっぴんになれないとか、物分りの良い女と思われたくて彼氏にわがままを言えないとか、好きな人の前でオナラできない、とか。
でもそれは自分がそう思い込んでいるだけで、周りが思う自分の魅力って違うところにあるのかもしれません。
男性って女性のすっぴん意外と好きだし、たまには 彼女にわがままを言って欲しいし、「俺に気を許してくれてるからオナラするんやな」と思ってます。さすがに何の恥じらいもなく連発するのはダメだけど、オナラがプラスに働くこともあると思います。失恋もオナラも、人としての魅力に繋がる。
今度、石井さんにそう教えてあげようと思います。