charmmy TOPココロ/カラダ原田ちあきの人生劇場「小学生の頃に受けたいじめが未だに許せない」

原田ちあきの人生劇場「小学生の頃に受けたいじめが未だに許せない」

イラストレーター・漫画家の原田ちあきが皆さんの相談に答えてみたり一緒に悩んだりするコラムです。
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他人から受けた忘れられない理不尽ってあるよね。

私も中学の頃、ボーっとしているタイプだったから、英語担当の先生に目を付けられちゃって、殴られたりビンタされたり、何もしてないのに立たされたりしたなあ!

わざとおとなしくてやり返さなそうな人間を選ぶ人っているよね!嫌だわ!姑息よ!

自分の理解を超えた理不尽な立場になると「なんで?」と「自分が悪いのか…?」のループに陥っちゃうもの。

リアルタイムで理不尽を体験している状態の時って、感覚がマヒしてしまって何故かその状況を受け入れちゃうんだけど、時間や距離を置くと「もしかしてあれって私は悪くなかった!?」「むかつく!ああいえばよかった!」っていう、たらればのループに入っちゃうんだよね。

許せないという感情は汚いものではない

まず最初にこれだけは伝えたいんだけど、「許せない」って醜いことじゃなくてよ!

誰かを許せない時って自分の心の中にモヤモヤした感情が渦巻いていて、優しい人であればあるほど、そのモヤモヤにだけ焦点を当てて「こういう感情を持っていることは悪いことだ!」「早く忘れて前に進まないと!」と思ってしまいがち。

あなたはきっとすごく優しい人で、こうでありたい!と思う自分の理想が明確にあるんじゃないかな。

だからこそ
・自分のなりたい自分はこういうモヤモヤを持ってはいけない。
・でもどうしてもモヤモヤが晴れない。

この2つの感情があなたの中で矛盾になってしまって苦しいんだと思うなあ。

本当に問題はモヤモヤなのか

実は問題なのってモヤモヤの部分じゃなくて、過去に自分の受けた理不尽でできた心の傷の部分なんじゃないかな。

心の傷って体の傷と同じ。

傷ができたらカサブタができて、その下に皮膚ができて、それでやっとカサブタが剥がれて治るよね。

でも、その傷がもし深かったり大きかったりしたら、治るまでに時間がかかるのは当然だと思わない?

あなたの心が頑張って、瘡蓋の下で新しい皮膚を作ろうとしていても「カサブタがあるのは醜いから早く治ってよ〜!」ってケガの部分を触りまくったら、治ってないのにカサブタが剥がれてまた血が出ちゃうかも。治るがもっと遅くなっちゃうかも。もしかしたら膿んでもっと酷くなっちゃうかも!

慌てなくても絶対に傷は治るよ。時間はかかるかもしれないけど。

まずは冷静に自分のケガの原因を探ることが大事。
原因がわかれば処置の仕方もわかってくるはずよ。

イライラしたい時はイライラしまくっていい

私にも、いつまでもイライラする許せないことってあるわ!

大人になってから無意味にいじめられたり、時間やお金を取られちゃったりね。

そういう出来事ってやっぱり何年も経つのにいまだにムカつくし、昨日のことみたいに人に話せるんだけど、私はイライラするってことは全然悪い事じゃないと思うんだよね。

怒りだって喜びと同じ大切な感情だと思わない!?

心が出したイライラは膿みたいなもので、膿は出してあげなきゃ傷はいつまでも痛むでしょ?

逆にこれは汚いから出しちゃダメだ!出るな出るな!って押さえつけたら傷はどんどんじゅくじゅくになるし、怪我した部分は悪くなるばかり。

私はそういう時、迷惑じゃなさそうな友達がいるならその子に愚痴ったり、本当に誰にも言えないような事でイライラしている時は、枕に顔を埋めて叫び散らかしてみたり、力任せに紙に書いて、満足したらビリビリに破って捨てて、怒れるだけ怒ることにしているわ。

あなたは怒ったり泣いたりすべき時にそれができなかった。

だから今その感情が噴出しても別におかしなことではないし、恥ずかしい事でもない。

満足するまで怒っていいし、泣いてもいいし、イライラしてもいい。

小学生の時に怒れなかった自分の代わりに今怒ってあげることは絶対に必要よう!

何に怒っているのか、何が悔しいのか、何がどう悲しいのかを口に出したり文字にするのって実はすごく大切で、繰り返し何度も何度も形にする事で、やっと自分の心が何に傷ついているのかを冷静に分析できるようになるはずよ。

それで怒って怒って怒りまくって、飽きるまで心の中の膿を放出できた時、きっとその時に初めてその出来事を冷静に見ることができるはず。

あなたの大切な感情は抑え込む必要なんてないわ。怒りたい時には怒っていいし、泣きたいなら泣いてもいいのよ〜!

案外みんな腹の中では他人を許していない(と思う)

誰かのこと許せない人ってたくさんいるわ。絶対にあなただけじゃない。

意外とみんな他人にバレないように平気なふりをしながら腹の中では怒ったり、悲しんだりしているものよ!安心して!

悲しかったり辛い時に平気なふりができる人って、場を乱さないようにできる人。

トゲトゲした振る舞いをしたら他人が傷つく可能性があるって知っている人。

それってものすごい優しさよ。

ぶっちゃけ心の中ならどんなにひどいことを考えていたって、汚い感情を持っていたって誰にも迷惑かけないしバレないわ!!!怒りを見せない事は腹黒いわけじゃなくて、しっかりした理性のある証拠。

もしかするとあなたの元担任の先生も、何かを許せない人だったのかも。

でも心に余裕が持てなくて、当たりやすそうなあなたにひどい態度を取ることで心の均衡を保っていたのかもね。

まあどんな理由があったって人のことをいじめる人は最低よ〜!キ〜!

許せない事は無理に許す必要なんてないのよ。

あなたの傷はあなただけのもの。痛みを感じるのはあなた自身よ。

「〜さんならもう忘れているだろうな」「〜くんならいつまでもうじうじ言わないのって言うだろうな」なんて他人の尺度で考える必要なんてないの!

あなたはあなたを一番大切にしていいし、そんな自分を傷つけてきた人には怒ってもいい。

辛いこともたくさん思い出すと思うけど、小学生の時の自分の傷が痛まなくなるまでゆっくり自分のスピードで心の怪我に向き合っていければいいね。

あなたがあなたの怒りを受け入れることができますように。

明日もかわいいあなたでいてね。

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原田ちあき
イラストレーター・漫画家
大阪在住のイラストレーター・漫画家。よいこのための悪口メーカー。書籍「手から毒がでるねこのはなし」「誰にも見つからずに泣いてるきみは優しい」等/連載「やはり猫にはかなわない」